第3話:最終コーナーの迷い──そして“踏めなかった理由”

(第1話はこちら、第2話はこちらからどうぞ)
決勝は雨があがっていたが、路面は濡れていた。それでも僕は「走るうちに乾くだろう」と思い、空気圧はドライセットにしてコースインした。結果的には、これも判断としては甘かった。
スタートは得意なので、4位から3位に上がり、序盤は悪くない滑り出しだった。
ただ、そこからペースが伸びなかった。濡れた路面に空気圧が合わず、タイヤの状態も良くない。4位の選手がじわじわ追い上げてくる。
最終コーナーでの判断

バックストレートで一度抜かれて前に出られたが、最終コーナーで外から抜き返すことができ(外側が乾き始めていた)、「これぞレースだな」と感じる場面もあった。
それでも後半、少しずつ乾いた路面が出てきて、前の二台に追いついていく。しかし、残り二周の最終コーナーで、前方で周回遅れ車両がスピンした。濡れた路面で横向きに滑っていきなかなか止まらない。
どうする? 止まるのを見極めて安全にすり抜けたいという気持ちが働き、ブレーキを踏んで減速した。ラインをインに寄せた瞬間、後続が勢いよく抜いていった。
若い頃の感覚とは、違っていた自分に気づく

チェッカーを受けたとき「昔の自分なら、あの場面で踏んでいたかもしれない」。そんな思いがよぎった。でも、あの状況を見て「確実性」を選んだのも、それはそれで、今の自分の選択なんだと思う。だって昔と違うのだから。
結果は4位。ただ、レース後半で路面が乾き始めたタイミングで走行ラインを変えて、ファステストラップを取ることができたのは、今回の数少ない収穫だったかな。
走りそのものだけでなく、準備や判断をどう積み重ねていくか。このレースは、そうした“積み上げ方”を見直すきっかけになった。
雨の筑波での一日が、今後の自分の成長につながっていくことを期待する。
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