ロードスター・パーティレース「タイヤ残り溝」問題に直面!【マツダ ロードスターNR-A】

2025.10.10

パーティレース参戦で浮き彫りになった課題

筑波サーキットで開催されるJAF公認「ロードスター・パーティレース」に参戦することにした(過去記事:速さより、準備。走ることより、こなすこと。——レースの本質がここにある【2025 パーティレースに参戦】)。ところが困ったことになった。――そう、「タイヤの残り溝問題」である。

パーティレース特有のレギュレーション

パーティレースでは指定タイヤ「ポテンザ アドレナリン RE004」が義務付けられている。それは僕が主戦場とするマスターズレースと同じだが、違うのは予選前にタイヤの3本のメイングルーブすべてで4mm以上の溝が必要なこと。つまり「使いすぎタイヤ」は失格。

ではトレッドの「山」があればよいのかというと、ポテンザ アドレナリン RE004の特性として、減れば減るほどグリップが上がる。つまり山はできるだけ減らしたい。でも減らし過ぎたらレース車検落ちで出場ができなくなるのだ。

みんなはタイヤ何セット持ってる?

周りの仲間たちは4セットが標準装備らしい。中には6セットを運用している人もいる。普段の練習で何セットも使いながら、レースウィークにドンピシャの山のタイヤを組み合わせる戦術だ。僕はというと……2セット。「貧乏レーサー」状態なのである。

今回、レ-スを見据えて、4mmに近いタイヤは使えないと判断し、まだ練習には使えるのだが、レースの二週間前に廃棄(もったいない……)。そして外したホイールに新品2本を組んだ。残りの6個のタイヤは4.5mm程度。でもそれで安心はできない。本格的レースと違ってナンバー付きレースでは、自走でサーキットに向かうのが基本。レース前日の練習走行で減る分も予想しとかなければならない。だがパーティレース二戦目の僕には減り方のデータがないのだった。

他の選手を参考にする手もあるけど、各々キャンバーが違い、走り方が違えば、減り方も大きく違ってくる。キャンバーのつけ方でフロントは外側、リアは内側が減ることも注意ポイント。基本的に自分のクルマの減り方のデータを持っている必要があるのだ。ところが僕にはそれがない。

さらに残り溝が5mmあったとして、練習走行で20分×3本走ると外側は大丈夫でも、内側のいちばん多く減ったところの残り溝は4mmを切ってしまうかもしれない。自走で行って、残溝がなくなったら、レースに出られなくなる。まるで「知恵の輪」。あああ、頭が混乱してくる。

パーティレースの難しさのひとつは、タイヤの残溝の管理だと思い知らされた。

スペアタイヤをどう運ぶか?

「万が一に備え、スペアは持っていきたい」。それしかない。そう思っていたところ、ロードスター仲間から、「助手席にタイヤ2本積める」と情報提供が。

ただ、そこはいつもは装備品置き場で、じゃあそれはどこに置く?と思ったら、トランクの前にちょっとした収納スペースがあって、幌を中途半端にたたむとそこからそのスペースにアクセスできるという裏知識を伝授された。

しかしやってみるとこれも知恵の輪。そもそも僕は荷物が多く、どうやっても積みきれない。それでプランAは断念。次はプランBだ。同じチームの上田選手はスペアタイヤを軽トラで持ち込むので、それに僕のスペアを載せて持って行ってもらうことにした。

次の一手は「ホイール」か?

結局のところ、前日の練習走行は雨。予選も小雨。タイヤはさほど減らず、車検はすんなりと通過した。雨だとわかっていれば、そんなに悩む必要はなかったのに。

とは言え、2セット運用では限界を感じている。3セット体制に移行したいが、愛用のTE37は納期が長い。注文しても来るのが来シーズンでは意味がないし。次回、どうする?俺

「タイヤ残り溝問題」。一見すると些細な話に思えるが、実際にはレースの勝敗や精神状態(これが大きい)にまで影響する。山盛りは遅く、減ったら速いというRE004のクセも相まって、タイヤ戦略はまるでパズルゲームだ。

僕にとっては気が重い課題だが――それもまた「パーティレースに参戦して初めて分かるリアル」なのである。

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