500/500Cのエンジンは基本的に丈夫だが……
これからフィアット500/500Cの中古車を買おうと思ったときに、10年/10万kmの安価な低年式車も愛車の候補になるはずです。
年式と走行距離から判断され、一般的に10年/10万kmのチューコは敬遠されがちですが、フィアット500/500Cはエンジンが(それなりに)丈夫なので、鬼門となるデュアロジックが修理されていたり、交換されている個体であればまだまだ使えるといえます。
既報のとおり(過去記事:フィアット500の“定番故障”を実例解説! デュアロジック、水漏れ、センサーエラーの修理と対策を3台持ちオーナーが語る)、我が家のチンク1号車である500C(4気筒エンジン仕様)の直近のトラブルはデュアロジックの不具合で、走行距離が9万9500kmを超えたあたりからリバースに入れたときの反応が明らかに鈍くなってきたので、転ばぬ先の杖でユニットごとアッセンブリー交換しました。
思い切ってアッセンブリー交換したわけですが、実は以前デュアロジックの構造に詳しいショップを取材したことがあり、修理できることを知っていました。
デュアロジックは修理できる!

修理可能であること知り、納得した上でアッセンブリー交換をチョイスしたということになるので、何ゆえにそういう判断になったのかを理解していただくために、取材時に得た情報を記しておきます。
変速しない、ギアが抜けてしまう……といったデュアロジックの故障の多くは、ユニット内部のオイル漏れが原因となります。
オイルが漏れる箇所は複数あり、カム(セレクト)ソレノイドのカプラー部分にミッションオイルが滲む、セレクトセンサの下部切り欠き部分にデュアロジックオイルが滲む、クラッチプッシュロッドのダストブーツ付近からデュアロジックオイルが滲むといった3つの症例が確認されています。
上記のうちのどれかが発生したときに“対症療法”でなんとかしようとすると、オイルが漏れた箇所により、アキュームレータ交換やセンサーソレノイド類交換を実行し、必須となるデュアロジックオイル交換もやることになります。
対症療法はオイル漏れ修理
そして、メカニカルユニットのオーバーホール、バルブボディのオーバーホール、ポンプユニットのオーバーホールが必要になることもあるので、個別の案件を直していく堂々巡りをやっていると最終的に“根治療法”よりも高価になるんじゃないの?と思ったので、修理ではなくアッセンブリー交換を選択しました。
もちろん、オイルが漏れた箇所が1つで、それを直しただけで10万km以上まで難なく走れた場合はアッセンブリー交換よりも安価で済むので、挑戦する気概がある方は“対症療法”で進めてみてください。
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