大阪万博で出会える近未来の乗り物たち【第1回】空飛ぶクルマがやってきた!— eVTOLの現在地と未来

2025.04.22

(画像引用:https://www.expo2025.or.jp/future-index/smart-mobility/advanced-air-mobility/?utm_source=chatgpt.com)

モータージャーナリストが見た、“未来の足”の最前線

2025年の大阪・関西万博は、移動という行為そのものが進化していく様子を私たちに見せてくれます。空、陸、海、そしてロボティクス――。この連載では、モビリティの最前線に立つ技術や取り組みを、現地の視点で詳しくご紹介していきます。

空飛ぶクルマ:eVTOLが描く未来の空

「空飛ぶクルマ」とは、電動垂直離着陸機(eVTOL)技術を活用した次世代の移動手段です。ドローンに似た外観をしており、飛行機と自動車の特性を併せ持った空中を移動できる乗り物と考えるとわかりやすいでしょう。滑走路を必要としないため、都市の渋滞緩和や移動の効率化を目的に開発が進められています。​


万博での展示・体験:EXPO Vertiportと空飛ぶクルマ ステーション

万博会場内の「モビリティエクスペリエンス」では、オリックス株式会社が整備・運営するEXPO Vertiport(会場内ポート)を中心に、空飛ぶクルマによる会場内外の飛行が行われます。また、「空飛ぶクルマ ステーション」では、映像・音響・床面振動を組み合わせた最新の没入体験が可能なシアターや、空飛ぶクルマの専用離着陸場紹介動画などが展示され、未来の空の移動手段を体感できます。 Expo 2025


実際の飛行と課題

4月14日には、スカイドライブ社が開発した機体によるホバリング(空中静止)のデモフライトが行われました。しかし、静穏な気象条件にもかかわらず、機体は前後左右に数度ずつ揺れながら静止する様子が見られ、安定性の面で課題が残ることが示されました。また、有人ドローンの商用運行には型式証明や耐空証明などの制度設計が必要であり、世界的にもまだ確定的なものが出ていないのが現状です。​


主要企業と機体

万博では、以下の企業が空飛ぶクルマの展示やデモフライトを行っています:

  • ANAホールディングス株式会社(Joby Aviation Inc.と提携)

  • 株式会社Soracle(日本航空・住友商事 共同出資)

  • 丸紅株式会社(Vertical Aerospace Group Ltd.と提携)

  • 株式会社SkyDrive

空飛ぶクルマ 1

画像引用:https://www.expo2025.or.jp/future-index/smart-mobility/advanced-air-mobility/?utm_source=chatgpt.com

空飛ぶクルマ2

画像引用:https://www.expo2025.or.jp/future-index/smart-mobility/advanced-air-mobility/?utm_source=chatgpt.com

 

※最新情報は、公式サイトにてご確認ください。


次回は、万博で注目される「水素燃料電池船」や「自動運転EVバス」など、陸海の近未来モビリティについて詳しくご紹介します。これらの技術がどのように私たちの生活を変えていくのか、引き続きお楽しみに。

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