大阪万博で出会える近未来の乗り物たち【第2回】水素で動く船と自動運転EVバス — 陸と海を変えるエコ・モビリティ
2025.04.22
前回は「空飛ぶクルマ」に焦点を当てましたが、今回は大阪・関西万博で注目される陸と海の近未来モビリティ、「水素燃料電池船」と「自動運転EVバス」にスポットを当てます。これらの技術は、持続可能な未来社会の実現に向けた重要なステップとなっています。
水素燃料電池船「まほろば」:静かに進むゼロエミッションの旅客船
大阪・関西万博では、国内初の水素と電気のハイブリッドで航行する旅客船「まほろば」が運航されています。この船は、福井県おおい町で製造されたゼロカーボン水素を燃料として使用し、大阪中之島と万博会場の夢洲を結ぶルートで運航されています。水素から発電する電気を使うため、二酸化炭素(CO₂)を排出せず、においや音、振動も極めて少ないのが特徴です。全長33メートル、全幅8メートルの2階建てで、定員は150人となっています。
また、商船三井は「未来の都市パビリオン」において、風を捉えて水素を製造・運搬する次世代のゼロエミッション船「ウインドハンター」の大型模型を使用した体験型展示を実施しています。来場者がうちわで風を送ると、模型の帆が動き、背面の大型スクリーンに水素の製造から供給までのプロセスが映し出されるという、参加型の演出が特徴です。
自動運転EVバス:会場内外を結ぶ次世代の交通手段
万博会場では、約100台のEVバスが実際に運行されており、来場者は会場内外のルートでこれらのバスに乗車することができます。これらのバスは、レベル4相当の自動運転技術や走行中給電などの新技術を融合させた最新鋭のEVバスです。
また、e METRO MOBILITY TOWNでは、自動運転バスの実証実験が行われており、来場者は約5~10分かけて会場内のコースを走行するバスに乗車することができます。この体験を通じて、未来の交通手段を身近に感じることができます。
次回は、万博で注目される「パーソナルモビリティ」や「電動キックボード」など、個人の移動手段としての近未来モビリティについて詳しくご紹介します。これらの技術がどのように私たちの生活を変えていくのか、引き続きお楽しみに。
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