日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞! その実力を改めて探る

北海道・旭川から北へ100km。美深町にあるスバル研究試験センターで開催されたフォレスターの試乗会に参加した。広大な敷地にいくつものコースが配置されており、旭川空港から現地へ向かう道中では、2種類のパワートレーン――2.5リッター直噴+2モーターのストロングハイブリッドと、1.8リッター直噴ターボ(DIT)――を続けて試すことになった。
ストロングハイブリッドは118kW(160PS)のエンジンに2モーターを組み合わせたもので、街中では信号待ちからスッと滑り出すように動き出し、レスポンスの良さが光っていた。力強さと燃費性能を両立しており、どんな場面でも素直に実力を出してくれる“万能タイプ”だ。
一方で、ワインディングに入ると1.8リッターターボの存在感が増す。車重が軽いこともあって加速が小気味よく、走りのテンポが自然と合う。空港からテストコースへ向かう途中のワインディングでも、その気持ちよさをはっきり味わえた。
若手エンジニアが好むのはやっぱり……

さらにテストコースには、販売予定のない試作車として若手エンジニアが製作した2.4リッターターボまで用意されていた。エンジンルームを加工し、WRX用パワーユニットを載せてしまったという1台で、ほとんど“趣味の延長”のようなプロジェクトだが、加速の伸びはやはり別格。1.8リッターより速いのは当然として、加速が持続する感じが気持ちよかった。
僕はスバルの新人開発者向け安全運転講習を10年続けていることもあり、今回話した若手エンジニアの中には卒業生もいた。
彼らに「ストロングハイブリッドとターボ、どっちが好き?」と訊くと、全員が迷うことなく「ターボ!」と答えたのが印象的だった。
スバルが大切にする「愉しさ」の象徴がターボ

モータージャーナリストは燃費性能や世相を踏まえてストロングハイブリッド推しが多いが、スバルを選んで入社してきた若者たちは、ずっと“スバル=ターボ=愉しい”というイメージで育ってきたわけで、答えが揃うのも自然だった。
スバルは「安全」を前面に出す一方で、「愉しさ」も大切にしている。その象徴が1.8リッターターボだ。エンジンを始動し動き出した瞬間に“愉しい”と感じるクルマがあるが、1.8リッターターボはまさにそのタイプで、「やっぱりスバル車はターボだよね」と思わせてくれる。
販売比率はストロングハイブリッドが6、ターボが4。この“6”の多くは他ブランドから乗りかえたユーザーで、燃費が良く扱いやすく安心感のあるストロングハイブリッドを選ぶ傾向が強いそうだ。一方、根っからのスバリストはターボを選ぶ傾向があるようで、数字がユーザーの志向を物語っている。
スバルのSUVは悪路を本気で走行できる!

試乗では山中のダートコースも走らせてもらった。ラリー車のようにクルマを横へ向けながら悪路を走る場所で、スバルのSUVが“街乗りクロスオーバー”ではなく、本気で走れるSUVであることを改めて実感した。
アメリカでは、さらにオフロード色を強めた「ウィルダネス」が人気を博しており、SUVブランドランキングでも上位に入るという。“スバルの荒野系SUV”というカテゴリーがすでに成立しているらしく、日本に入ってきても人気になるだろう。
スバルには若手エンジニアに自由に挑戦させる文化がある。テレビ番組で、若手開発者が挑戦した“ブランコの原理で前進するクルマ”が1位を取ったという話もあるが、あの探求心と遊び心がこのメーカーの本質だ。
そうした環境で育った人たちがつくるSUVだからこそ、“愉しさ”が自然と宿るのだろう。
〇スペック
スバル フォレスター SPORT EX
●全長×全幅×全高:4,655mm×1,830mm×1,730mm
●ホイールベース:2,670mm
●車両重量:1,640kg
●エンジン:水平対向4気筒DOHC16バルブ デュアルAVCS直噴ターボ“DIT”
●排気量:1,795cc
●最高出力:130kW(177PS)/5,200-5,600rpm
●最大トルク:300N・m/1,600-3,600rpm
●トランスミッション:リニアトロニック
●駆動方式:AWD
●使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
●タンク容量:63L
●サスペンション:前/ストラット式独立懸架
後/ダブルウィッシュボーン式独立懸架
●ブレーキ:前後/ベンチレーテッドディスク
●車両価格:419万1000円〜
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