新型スバル フォレスター、燃費向上でライバルに接近! 走り・安全・デザインまで気になる存在に
2025.04.05
大幅に向上した新型フォレスターの燃費
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これまで、走りや安心感では高い評価を得てきたスバル フォレスターだが、燃費については「あともう一歩」と言われてきた。
しかし新型は、その壁を破ってきた。ストロングハイブリッド仕様で最大18.8km/L(WLTC)を達成。これまで“燃費がちょっと…”と敬遠していた人にも響く進化だ。
とはいえ、ライバルも手強い。トヨタ RAV4のハイブリッド(E-FOUR)は20km/L超え。同じくハリアーもそれ以上を記録している。数値で比べると、フォレスターはまだ一歩届かない印象かもしれないが、そこだけで判断するのはもったいない。
RAV4が電動式4WDなのに対して、フォレスターはプロペラシャフトを使った機械式の本格AWD。雪道や悪路での走行性能、そしてドライバーに伝わるダイレクト感は明らかに違う。燃費の差を補って余りある安心感と走りの信頼性がここにある。
自転車との接触に対応するサイクリストエアバッグを装備
もうひとつ見逃せないのが安全装備の強化だ。今回、自転車との接触事故への備えとして、Aピラーまでカバーするエアバッグを新たに採用。この装備だけで10kgも重量が増えているが、スバルは「安全性を犠牲にしない」という姿勢を貫いた。
燃費の数値を上げたいのは営業的にも当然だろう。でも、万が一の事故に備える装備は、数値以上の意味を持つ。命を守る装備を重視したという判断は、クルマ選びの視点を変えてくれるように感じる。それでもスバルは、燃費より命を守る設計を選んだのだ。
仮に燃費があと1〜2km/L伸びていたとしても、事故が起きてしまえばその差なんて意味がない。そんなメッセージを感じる。
SUVらしい堂々とした風格とカスタム素材としてのポテンシャル
そして今回、エクステリアデザインも個人的に気になるポイントだ。
新型は、全体的に堂々とした雰囲気が増していて、よりSUVらしい風格が強くなった印象がある。昨今のキラキラしたSUVやミニバンのデザインを好まない僕の好みにも合っている。
ただ、フロントマスクにはやや“キラキラ感”が入りすぎている部分もあり、個人的にはもっと控えめな方が好みなので、もし買うことになったら、オプションのブラックグリルに変更したり、グリルをメッシュに交換したり、つや消し塗装にしてしまうのもアリだと思っている。
そうやって、自分好みにカスタムする素材としても楽しめそうな1台。乗って良し、守ってくれて良し、そして「いじりがい」もある――新型フォレスターには、そんな魅力が詰まっているように感じる。
買うと決めたわけじゃないけど、もし買ったら──
さて、ターボモデル(1.8L DIT)にも言及すると、こちらの燃費は13.6km/L。
でも、実際にサーキットで試したところ、中速域のパンチ力と軽さが好印象。ハイブリッドよりスポーティで、「走り好き」の僕としては気になる存在だ。とはいえ、燃費ではハイブリッドにかなわない。
もし「自分で買うならどっち?」と問われたら……正直悩ましいところ。日々の燃費を気にするならハイブリッド。でも、走りのフィーリングとスポーティさならターボ。
ただ、運転次第で燃費は伸ばせる自信もある。早めのアクセルオフや定常走行を心がければ、もっと向上するはずだ。
どっちを選ぶか、まだ決めたわけじゃない。でも、もし新型フォレスターを買ったら、グリルを替えて、塗装もいじって、たぶん僕はまた夢中になる。
そんな気にさせてくれるのは、フォレスターが“相棒”としての魅力を持っているからだろう。
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