スバル クロストレック ストロングハイブリッド 試乗レビュー|新型SUVの魅力を徹底解説!
2024.10.17
クロストレックに超強力なストロングハイブリッド仕様が新登場!
こんにちは、太田哲也です。僕の愛車はラテン車ばかりで、ラテンの風に吹かれまくってる。独特のデザインや運転フィーリングはやっぱり楽しい。
ただ最近、悩んでいるんだ。東京都内での運転が怖い。平成19年に自転車が車道を走る原則になってから、モンスターのような自転車や電動キックボードが増加し、赤信号無視や逆走は当たり前、さらには死角となる歩道から目の前に突然飛び出してくることも日常茶飯事。いくらこちらが気をつけていても、いつ事故に巻き込まれるか分からない状況だ。
そんな経験が増えてきて、「いくら楽しいラテン車でも、もし事故に遭ったら台無しだ」と考えるようになった。そこで、せめて通勤だけでも安全性の高いスバル車に乗り換えようかと考え始めていたんだ。
そうしたタイミングで、スバルの次世代モデル「クロストレック ストロングハイブリッド」の試乗会に呼んでもらった。モータージャーナリストとしての興味もあるが、今回は本気で購入候補として乗る絶好のチャンスだ。
SUVブームの今、クロストレックの絶妙なクロスオーバー感覚
日本では今やSUVが大流行で、街中でもよく見かける。でも、SUVって車高が高い分、見晴らしは良くなるけど、操安性が犠牲になりがち。重心が高い分、足まわりを固めないとぐらぐらしてしまう。でもそうなると足が硬くてゴツゴツする。僕はどちらかといえばぐらぐらするとクルマ酔いしてしまうので、車高は高くなくていい派だ。
その点、クロストレックはその中間的なクロスオーバーでちょうどいい車高だ。外観はありきたりではなくてアウトドアギア風のカジュアルな印象で個性的。これなら街中でも、アウトドア気分がエンジョイできるかもしれない。
スバルと言えばアイサイト! 安心感が違う
そして、何と言ってもスバルのアイサイトだ。僕が毎日の通勤中に遭遇する危険な電動キックボードや自転車を、アイサイトが見張っていてくれる。傍若無人に車道を走り回る彼ら彼女らをアイサイトの広角レンズが監視して、事故を未然に防ぐために頼れる存在。これがあれば、僕も通勤時の不安を大幅に軽減できそうだ。
実は、僕はスバルの開発部に配属される新入社員に対する安全運転研修の校長を務めている。「人間力」をテーマに、サーキットでの事故の話やプロとしてのレースの経験から、安全意識やプロ意識の向上をテーマに共有している。今年で7年目、初期の受講生たちも技術者として要職に就き、スバル車の開発に携わっているはずだ。僕の事故の経験が彼らを通じてスバル車に反映されていると思うと、嬉しい気持ちになる。
1000km走れるクロストレックのタンク! ロングツーリングに最適
さて、今回試乗したクロストレック ストロングハイブリッドは燃料タンク容量がすごい。通常、ハイブリッド車はバッテリーを搭載することでガソリンタンクが小さくなりがち。でも、クロストレックは違う。既存モデルの48リッターから63リッターに拡大され、満タンで1000kmも走れるようになったそうだ。これはロングツーリングにもってこいだ。
僕はプライベートでも遠出することがよくあるけど、こんなに航続距離があれば長距離ドライブも安心で、旅先で混んでいるガソリンスタンドに立ち寄らなくても済みそうだ。
スバルの機械式4WDはやっぱりすごい! 試乗会場での体験
もうひとつのこだわりは、スバル独自の4WDシステム。機械式でタイヤが空転する前に最適なトルク配分をしてくれる。実は、試乗の日は前日に台風が来ていたため、試乗会場の一部の路面がぐちゃぐちゃで泥濘地になっていた。他のクルマだったら動き始めに滑ってスタックしてしまいそうな場所でも、クロストレックの4WDはじわじわっと動き始める。さらにストロングハイブリッドは極低速時にモーターがじわっとアシストしてくれるので、泥濘地でもすんなりと抜け出すことができた。
大雪などの悪条件でも、このスバルの4WDなら間違いなく頼りになると確信した。そして、それを比較的手頃な価格で提供しているんだから、本当に驚きだ。
最後に…やっぱりスバルはユーザー目線!
また、バッテリーやモーターの冷却をしっかりやっている点も好印象だ。エンジンが温まるまでの間、電熱ヒーターが稼働して乗員を温めてくれたり、停車中も電動コンプレッサーが動いてくれたり、地味だけどユーザーのことを考えたクルマづくりが成されている。こうした配慮は、コストがかかるために他のメーカーでは省略されがちだが、スバルは違う。開発者が自分がオーナーとして乗りたいクルマを作っていると感じた。
クロストレック ストロングハイブリッドは、オン・オフ問わず全方位的に使える万能車だ。これ一台あれば、日常も休日も安心して楽しめそうだ。通勤だけではもったいない気がしてきた。もし購入したら、他のラテン車の出番がめっきり減ってしまいそうで、それも悩ましい。
〇スペック
スバル クロストレック ストロングハイブリッド Premium S:HEV
●全長×全幅×全高:4,480mm×1,800mm×1,575mm
●ホイールベース:2,670mm
●車両重量:1,560kg
●エンジン:水平対向4気筒DOHC16バルブ吸気AVCS直噴
●排気量:2,498cc
●最高出力:118kW/5,600rpm
●最大トルク:209N・m/4,000-4,400rpm
●駆動用モーター:MC2・交流同期電動機
●最高出力:88kW
●最大トルク:270N・m
●駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
●総電力量:1.1kWh
●トランスミッション:リニアトロニック
●使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
●タンク容量:63L
●サスペンション:前/ストラット式独立懸架
後/ダブルウィッシュボーン式独立懸架
●ブレーキ:前後/ベンチレーテッドディスク
▽その他のスバルの記事もごいっしょにどうぞ。
・技術の宝石箱、スバル クロストレックを再考する!
・スバルの良心がまじめに開発したベースモデル「インプレッサST」
・レヴォーグ レイバックよりもSUVらしいタフさや逞しさがあるスバル クロストレック
あわせて読みたい
- 【前の記事】スバル クロストレック再考! ひと味違うシンメトリカル4WDと進化したアイサイトを検証
- 【次の記事】