タイヤの残量を制す者がレースを制す【マツダ ロードスター NR-A】

2025.08.29

パーティレースを勝ち抜くためのタイヤ皮むき&残量管理術

一般的にタイヤは新品が一番タイムが出る傾向がある。ところが、ロードスターNR-Aで使用する「ポテンザ アドレナリン RE004」は新品時のグリップが低く、ベストタイムが出にくい特性がある。感覚的には、減れば減るほど良い。つまり、いわゆる「皮むき」が必要なのだ。

千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されたビースポーツ ロードスター・マスターズ第14回大会に、新型マツダ ロードスター NR-Aで参戦。

このときは、減ったタイヤで走り、ポール・トゥ・ウィンを飾ることができた。レースが終わったときには、トレッドゴムが剥離寸前だったが、それも想定内だった。

レースごとに異なるタイヤ規定とは?

一方、筑波サーキットで開催されるJAF公認の「ロードスター・パーティレース」ではそうはいかない。

パーティレースでは指定タイヤ「ポテンザ アドレナリン RE004」に関して、予選開始前に4mm以上、レース終了後も1.6mm以上の溝が残っていることがレギュレーションで定められている。

マスターズにはこのような溝の規定がなく、減ったタイヤで走るのもOKだが、パーティレースはタイヤの残溝管理が勝敗を分けるカギになる。

皮むきの目的とRE004の特性

6月下旬のマスターズで使ったタイヤでは、7月下旬のパーティレースで失格となるため、新品に履き替えることにした。

とはいえ、アドレナリン RE004は新品時のグリップが低いため、実戦投入には「厚めの皮むき」が必須。

新品時に約7mmある溝を、グリップのベストゾーンとされる5mm程度に減らすため、筑波サーキットのスポーツ走行に参加した。これは単なる皮むきではなく、実戦に向けた調整走行でもある。

理想の溝を目指す!タイヤ育成の現場

練習走行を何回こなせばちょうど良い状態になるかを予測するのは難しい。「どこまで減らすか」「減らしすぎたらどうするか」。

溝の減りを逆算してコントロールするのは容易ではないが、それもまたレースの一環であり、醍醐味でもある。

予算の差が戦略の差になる?

余裕があるチームは、ホイールを数セット持っていて、常に残溝4.5mm状態のタイヤをストック。最適な状態に育てたタイヤ同士を組み合わせて、本番で投入する戦略を取っている。

僕の場合は、サーキットまでアドレナリン RE004を履いて自走で行き、都内の自宅か横浜の会社までそのまま帰ってくるスタイル。ホイールは2セットだけなので、タイヤのキープも難しい。

新品を投入して、練習→練習→予選→決勝のローテーションで使うのだが、ベストの状態を維持するのはけっこう面倒で、前日の練習走行で減らしすぎると、予選で失格になるリスクがある。だから、たいてい安全マージンを取って厚めのタイヤで予選に挑むことになる。

ローテーションの落とし穴と対策

さらに、フロントとリアでタイヤの減り方が異なる。特にフロントはコーナリング時にショルダー部が減るため、前後ローテーションで前のタイヤを後ろに回すと、リアの接地面積が足りずに不安定になるケースがある。

そのため、僕はローテーションは左右だけに留めている。これもまた、ベストな減り具合をキープするのを難しくする要因だ。

タイヤマネジメントは「勝つ準備」

結局、パーティレースでのタイヤ管理は、単なるメンテナンスではなく“勝つための準備”そのもの。溝の管理だけでなく、皮むきのタイミング、走行距離、路面状況や気温まで含めて、ドライバー自身が「どれだけ気を配るか」。

それこそが、パーティレースを走る上での、もう一つのドライビングスキルなのだ。

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