「時間を買う」という決断|マツダ ロードスター NR-Aを再び選んだ理由
2025.04.28
—“走れない時間”こそが、最大の損失だった。走り続けるために、2台目NR-Aを選んだ理由とは?—
3年前に購入したマツダ「ロードスター NR-A」を買いかえることにした。これが2台目のND型ロードスター NR-Aとなる。
現在の塩ビ色のロードスターは、クラッシュもなく、サーキット仕様がメインなので、細かな傷はあるものの、エンジンなど機関系は走行4万km時点でも絶好調。サーキット走行において支障はないのだが、それでも別れを決断した。
つまり、同じモデルをまたもや買ったわけで、その理由を話そう。
ロードスター NR-Aを買い替える決断、その理由とは?
買い替えのきっかけは、ある日突然のチェックランプ点灯だった。原因はマフラー触媒の破損で、フロントパイプとセンターパイプを交換して、問題なく復活した。
ただ、これまで3年間、サーキット通いを重ねてきた愛車で、「これが始まりで、これからもっといろいろ壊れていくのかもしれないな……」という不安がよぎった。
サーキット走行3年で見えた「壊れる前に乗り換える」価値
もちろん、故障を直しながら乗り続ける選択肢もある。他の愛車はみなそうしている。旧車などでは直して乗る楽しさもある。
だが、ロードスター NR-Aは用途が違って、“サーキットで走るための道具”として導入したもの。
もともと、コロナ禍で外に出られなかった時期に、自分の体力づくりを兼ねて「サーキットで走ろう!」と思い立ち、NR-Aを選んだ。若さを保つための「健康器具」なのである。
そんな背景もあって、「入庫して乗れない時間が発生するくらいなら、買い替えてしまおう」という結論に至った。
いまの僕にとっては「走れない時間」こそが最大の損失なのだ。
買い替えを決断する後押しになったのは、コスト面もあった。 今後、発生するかもしれない補修費や修理にかかるパーツ代や工賃よりも、下取り価格+追い金のほうが安くつくという試算だ。
というのは、意外と下取り価格がよかったのだ。NR-Aは思いのほか高く売れるということも分かった。
実際、エンジンや足まわりなど、機関系はしっかり整備してきたのでコンディションは上々。 一方で、ボディにはいくつもの“戦歴”が刻まれており、パッと見の美しさはない。 それでもしっかりと価値を認めてもらえたのは、ユーザーとしてうれしい。
マツダの哲学が宿る、2代目NR-Aという選択
なによりマツダのクルマ作りの姿勢が伝わってくるような出来事だろう。
「ロードスター」は、マツダが量産し続け、長期にわたって販売を続けることで、価格を抑えながら高品質を維持するという哲学の象徴。 だからこそ、新車でも300万円ほどで手が届く。 今どき、2シーターの純粋なFRスポーツカーがこの価格で手に入るなんて、世界的に見ても貴重な存在だ。
そういえば、今乗っているロードスターには、ND型をデザインを担当しチーフでもあった中山さんが描いてくれた直筆サインがダッシュボードに残っている。「to MR. OTA ND魂」——それこそがまさしくロードスターの哲学なのだ。
色を塩ビ色からソウルレッドに変えて気分一新
塩ビ色はシックで気に入っていたのだが、気分一新する気持ちでソウルレッドを選んだ。 2月に納車される予定だったが、機構的な問題が発生したらしく、全車広島に戻すことになってしまったらしい。
実際に走り出すのは5月になりそうだ。
ソウルレッドの新しい相棒が、いつやってくるのか——。
その日を指折り数えながら、今は“走れない時間”をじっと耐えている。
……あれ? 結局“走れない時間”が発生してるな(笑)
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