ヒョンデ アイオニック5Nは速いのか? 筑波サーキットで実証されたEVスポーツの実力

  • 太田哲也
2026.06.04

ヒョンデ アイオニック5Nで初めての筑波アタック

ヒョンデ アイオニック5Nで、去る5月24日、筑波サーキットで開催されたJEV(一般社団法人 日本電動自動車振興会)主催のEVイベントにエントリーし、タイムアタックに参戦してきた。

アイオニック5Nは、84kWhの大容量バッテリーを搭載し、前後モーターによる四輪駆動を採用。通常時でも最高出力448kW(609PS)、最大トルク740Nmを発生する。さらに10秒間だけ使用できる「Nグリンブースト」という装置をオンにすると、478kW(650PS)、770Nmまで上昇するという。

弩級のスーパーカークラスである。

それほどまでにハイパワーなクルマでサーキットを攻めるのは、現役時代以来だから30年ぶり。しかもアイオニック5Nは車両重量が2210kgもある。

果たして運転できるのか、俺?

そんなことを考えながら、不安と期待でイベント前日まで過ごしていた。

水泳は久しぶりでも身体が泳ぎ方を憶えているものだ。そうであれば、ハイパワー車の運転も身体が憶えているだろうか。

ただ、水泳は僕にとって競争ではないし恐怖心も伴わない。しかしサーキットで650PSを使うとなると、やはり話は別だ。当時より歳を取り、右足にも障害がある。

やっぱり怖いよなあ。

しかも今回はEVである。

EVでのタイムアタックは、内燃機関車のように周回を重ねて合わせ込むのとは違う。短時間の中で一発勝負的要素が強い。しかも事前練習走行もない。

大丈夫かな。

日が近づくにつれ、期待よりも不安が大きくなっていった。

テスラの走りを参考にアタック!

さて当日。

アイオニック5Nの場合、1コーナーはどこからブレーキを踏むのか。最終コーナーはアクセルを踏んだままどこまで進入できるのか。走る前から、その答えを頭の中で想像してみるが、走ったことがないから、皆目イメージが湧いてこない。

そこでN選手に、タイムアタックの際、前走してもらうことをお願いした。

彼は、二年前に僕が日産リーフで、このJEVのEVイベントに参加していたときのよきライバルだった。当時は彼もリーフだったが、昨年、EVの最強モデルだったテスラ モデル3 パフォーマンスに乗り換え、さまざまなEVイベントに出ているベテランだ。

彼も今回エントリーしていて、快諾してくれた。

やはり持つべきは友だ。

そしてタイムアタック開始。彼のテスラ モデル3 パフォーマンスに続いてコースイン。

どうだったか。

えっ、そんなに奥までブレーキを詰めるの?という感じ。

5Nの加速が凄すぎて、まだアクセルを踏んでいられると思っても、勝手に右足が戻ってしまうのだった。

それでもテスラの走りが大いに参考となり、2周目に1分6秒4というラップタイムを記録することができた。

スローダウンしてクーリングしながらピットインする。

最速ラップは1分6秒2をマーク

リーフの場合は、だいたい一周目でバッテリーが上がりはじめパワーダウンが始まるのだが、5Nはまだ27℃を表示している(走行前は25℃)。

まだ走れそうだと思い、再びコースイン。

先ほどより目が慣れてきて、ブレーキももう少し奥まで行けるようになった。

周回を重ねてタイムアップ。

そしてチェッカー。

結果は1分6秒2。

まあまあかな。

さて、ライバルのN選手はというと、周回を重ねてタイムアップ。

僕よりもコンマ2秒ほど速いタイムをマークした。

まだまだ伸びしろがある!?

ということで、僕と5Nは全体2位だった。

ただ、こちらは純正20インチタイヤのまま。しかも初めて乗るアイオニック5Nで、かなりビビりながら走っての結果だから、そう考えると悪くない。

そしてコーナーでは予想外に扱いやすく、そしてとても楽しかった。やっぱりパワーがあると楽しいね。

今回、可能性が見えたと言えよう。

アイオニック5Nの本来の性能を引き出せていないのは明らかだ。

僕自身、踏めていない。

まだまだいける……。負け惜しみかもしれないが、伸びしろと言い換えることもできるだろう。

▽その他のヒョンデ アイオニック5Nの記事も一緒にどうぞ
ヒョンデ「アイオニック5N」導入! 650PSのEVはサーキットで通用するのか?
BYD シールAWD/テスラ モデル3パフォーマンス/ヒョンデ アイオニック 5 N、次世代EVスポーツカー3台を比較試乗! “走る喜び”をEVでも体験できる時代が到来か!?
ヒョンデ アイオニック 5N:電動ハイパフォーマンスをサーキットで体感する
ヒョンデ アイオニック 5Nでレースしたい!