アルファロメオ・ジュリアの軌跡【第5回(最終回)】アルファロメオ・ジュリアという芸術
2025.04.10
〜“走る悦び”を知る人にこそ響くドライバーズカー〜
ジュリアは、数字では語れない
アルファロメオ・ジュリアには、よく比較されるドイツ車のような完璧な質感や、レクサスのような無音の静粛性はない。
しかし、ステアリングを握り、最初のコーナーを抜けた瞬間にわかる。
「これは、理屈ではなく、感覚で走るクルマだ」と。
ドライバーと“対話”できるクルマ
クアドリフォリオに限らず、すべてのジュリアに共通するのは、まるでスポーツカーのようなクイックで正確なステアリング。
このフィールは、BMWやアウディでも真似できていない。
なぜアルファロメオは「ジュリア」をつくれたのか?
このクルマを生んだのは、単なる商業的な開発ではなかった。
FCA時代、グループ内にあったマセラティやフェラーリのノウハウを惜しみなく投入し、しかも採算度外視とも言えるジョルジオ・プラットフォームを独自開発。
それは、まるでこう言っているかのようだ:
「私たちが、本当に作りたかったFRスポーツセダンを、いま作った」
オーナーインタビューから見える“熱”
実際にオーナーに話を聞くと、ジュリアの魅力は**スペックではなく“気持ち”**で選ばれている。
- 「乗るたびにワクワクするクルマ」
- 「国産から乗り換えたけど、感性がまったく違う」
- 「週末が楽しみになる」
国産車やドイツ車からの“乗り換え組”が多いことも特徴で、それだけ“他にはない何か”が、このクルマにはあるのだ。
ジュリアが教えてくれたこと
- スポーツセダンとは、数字や装備表だけでは評価できない。
- 運転すること自体がエンターテインメントでありうる。
- 機械に感情が宿るような瞬間が、確かに存在する。
そして最後にひとつ、確信していることがある。
次期ジュリアがどれだけ進化しても、「あの内燃機関FRのジュリア」は伝説として語られ続けるだろう。
【まとめ】“ドライバーズカー”としての本質とは?
項目 |
ジュリアの特徴 |
他プレミアムセダンとの違い |
ステアフィール |
極めてクイックで自然 |
電動パワステ特有の違和感がない |
シャシー |
高剛性+軽量+50:50重量配分 |
ジョルジオ独自設計 |
操作感 |
ドライバーとの一体感重視 |
快適性優先が多い |
キャラクター |
感情的・芸術的・不完全さも魅力 |
完璧だが没個性な傾向 |
編集後記
ジュリアは、“クルマに乗る”という行為を特別な体験にしてくれる数少ない1台です。
それは性能や装備、価格では語れない――「愛すべき不完全さ」も含めた魂のようなものが宿っているからです。
電動化が進む時代にこそ、このクルマの存在意義が浮かび上がってくるのかもしれません。
全5回の連載を終えて
ご覧いただきありがとうございました!
「アルファロメオ・ジュリア」というクルマが、なぜ世界中のドライバーの心を掴んで離さないのか、少しでも伝わっていれば幸いです。
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