モータージャーナリストが唸った! アルピーヌA110の走りと乗り味|A110連載第3回
2025.05.09
〜“数字では語れない愉しさ”がここにある〜
【導入】
スペック表では語りきれない感動がある。
アルピーヌA110を試乗したモータージャーナリストたちは、こぞって「これぞピュアスポーツ」と評価した。軽量なボディ、素直なステアフィール、そして“走りのリズム”が自然と整う独特のドライビングフィール。
本稿では、国内外の試乗レビューをもとに、A110の“本質的な走りの価値”に迫る。
【1】しなやかで自然 ― 「快適すぎるピュアスポーツ」の称賛
A110の第一印象は、「想像より快適で、想像以上に楽しい」という声が多い。
ピュアモデルやリジェンド(Légende)を試乗したジャーナリストたちは、街乗りからワインディングまでの走破性に驚いた。
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「ボディ剛性と足回りの柔らかさが絶妙に調和している」(AutoCar UK)
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「路面の凹凸をいなすしなやかさに驚く。軽さの正義を感じる」(Motor Fan)
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「GTでもない、ハードコアでもない、新しい“中庸”の快楽がある」(Car Graphic)
これらのインプレッションは、設計思想の項で述べた“硬すぎず柔らかすぎず”を実感したものだ。
【2】俊敏かつコントローラブル ― タイヤとステアリングの対話性
A110のもうひとつの特長は、「ステアリング操作に対する車体の素直な反応」。
電動パワステでありながら、旧来の油圧式を思わせるようなフィードバックを感じる。
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「ロールを許容しつつ、タイヤが路面を掴む感触が手に伝わる」
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「アクセルとステアの操作が走りに直結する一体感。これは中毒になる」
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「速さより、“気持ちよさ”が記憶に残るクルマ」
高速ステージでも安心感は高く、横風に煽られにくい低重心設計が功を奏しているという評価も多い。
【3】ターボエンジンでも「呼吸するような加速感」
搭載される1.8Lターボエンジンは、パワー数値的には派手ではない(252ps〜300ps)が、A110の軽量性と組み合わさることで、“気持ち良い加速”を生む。
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「トルクの出方がスムーズで、DCTも的確に反応」
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「スポーツカーにありがちな“ピーキーさ”がなく、扱いやすい」
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「ターボの癖が少なく、NAのように踏み込んでいける」
特にDCTのギア選択ロジックが洗練されており、「思い通りに変速してくれる」と高評価。
【4】ポルシェ718との比較で見える、A110の“異端の美学”
しばしば比較されるのがポルシェ718ケイマン。ジャーナリストの多くが両者を乗り比べたうえで、A110を「違うベクトルの完成度」と評している。
項目 | アルピーヌA110 | ポルシェ718ケイマン |
---|---|---|
乗り味 | しなやかで軽快 | ソリッドでダイレクト |
操作感 | 人に優しく応える | マシン的で正確無比 |
楽しさ | 低速から楽しい“軽快系” | 高速域で真価を発揮する“剛性系” |
A110は“公道で楽しめるリアルスポーツ”というポジションを独占しており、これは他車にない価値といえる。
【結び:次回予告】
アルピーヌA110の走りは、“スペックでは測れない喜び”に満ちている。
次回は、この魅力的なシャシーをベースに進化を遂げた、「A110S」「GT」「R」など派生モデルの特徴と乗り味の違いを深掘りしていく。
「アルピーヌA110再生の軌跡 ― 伝説を現代に蘇らせたスポーツカーのすべて」
【連載目次】
第1回:「復活した伝説 ― 新生アルピーヌA110が誕生するまでの背景」
第2回:「軽量×リアルスポーツの哲学 ― アルピーヌA110開発思想の核心」
第3回:「モータージャーナリストが唸った! アルピーヌA110の走りと乗り味」
第4回:「進化し続けるA110 ― S、GT、R、そしてサーキット仕様R-GTまで」
第5回:「アルピーヌの未来 ― EVシフト時代におけるA110のポジションと後継構想」
番外編1:オーナーレビュー|アルピーヌA110の実体験に基づく評価
番外編2:アルピーヌA110を買う前に知っておきたい5つの注意点
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