アバルト乗り必見! 雨の富士スピードウェイで学ぶ安全運転とタイムアップ術
2025.05.27
今シーズン2開催目の富士スピードウェイ、タイムアタック
今シーズンの4開催目、富士スピードウェイでは2開催目となるアルファロメオチャレンジ・アバルトチャレンジ。当日は予報通りの雨となり、コース上に川ができるほどのハードウェットのコンディションになった。
チームKeep On Racingから出走したのは、アバルト595コンペティツィオーネで挑む磯崎さんとアバルト124スパイダーの太田校長。ふたりとも今回が2025年シーズン2回目の参戦となる。
出走カテゴリーは前回と同じくタイムアタックのEC100SSクラスで、他車とのバトルや駆け引きより自身とマシンの精緻なリンクが重要になるストイックなレースだ。
路面に川ができる最悪のコンディション
アルファロメオ MiToからアバルト695コンペティツィオーネに乗り換え、これが3開催目の参加となる磯崎さんは「サーキットでは雨天走行になることがわりと多いんです・・・」と苦笑い。
「でも、ウェットコンディションではより丁寧に走ることを心掛けるので、ドライコンディションとは違った練習になります。普段の安全運転に繋がる走り方を学ぶ機会でもありますし。まあ、多少テンションは落ちますが(笑)」と語り、生憎の天候でも目標をもってドライブすると話す。
一方の太田校長は、ハードウェットはリア駆動の124アバルトにとってバッドコンディションであり、いつもより慎重なアクセルワークとステア操作が必須であるとドライブプランの構築に余念がない。
空気圧を高めに設定した効果がでた
雨足が弱まることなくタイムアタック1本目。磯崎さんは通常より空気圧を高めにしてコースに出る。1ラップ目は2分23秒412、2ラップ目は2分30秒843とコースコンディションを探りながら走行し、3ラップ目から徐々にペースを上げていく。
そして5ラップ目にはベストラップの2分18秒907をマークした。これは他クラス混走のタイムアタックレース全体でもベストラップで、さらに太田校長が磯崎さんに続く2分26秒058を記録してチームKeep On Racingがワン・ツーフィニッシュを飾る。
磯崎さんは「ウェットではタイヤの空気圧を高めにしたほうがストレートが伸びました。ギアを早めにあげていくとジワジワ伸びる感じです」と語り、ベストラップ時の最高速度は168km/h、最終ラップは176kn/hを記録していた。
FRには厳しいコンディションで健闘
アバルト124スパイダーでタイムアタックをかけた太田校長は「いたるところに川ができていてアクセルを踏めない。FRの124スパイダーには酷な路面状態だったね」と、さすがに普段通りのタイムアップは厳しかった様子。
また、ブースト圧がなかなか上がらない症状にも悩まされるなど、コースコンディションとマシンコンディション両方とも今回はツキがなかった。
そんな中でもポテンザRE-71RSのウェット性能には助けられたという。「ドライはもちろんのこと、RE-71RSのウェット性能は高いね。ハードウェットでもコントロールしやすかった」と、RE-71RSのウェット性能に手応えを感じていた。
雨の富士スピードウェイでも結果を残す
最悪のコンディションでも上々のリザルトを達成した1本目に続き、2本目のタイムアタックもハードウェットで行われた。磯崎さんは1本目同様に「不用意にブレーキはかけない、逆にリア荷重はかけるように走る」という意識で臨むが1本目のタイムには届かず、この回のベストラップは2分21秒011に留まった。
太田校長は1本目よりタイムを上げ、ベストラップは2分23秒478を刻むものの「今回は磯崎さんに完敗です」と脱帽。ハードウェット時におけるFFとFRの走行性能の違いが如実に顕れる結果になった。
「皮肉にも雨天走行に慣れていたことが功を奏しました(笑)。それから今回はリアのブレーキパッドをTEZZO製のバイトが強いタイプに換えたことも大きいです。ブレーキング時に蛇行しなくなりました」と磯崎さん。
バッドコンディションでも目的意識をもって丁寧なドライブを行えば結果はついてくる。とはいえ、次開催はドライコンディションを熱望する磯崎さんだった。
▽アバルト595に関するその他の記事もご一緒にどうぞ
・最高速度225km/h! アバルト595コンペティツィオーネの世界で見えたものは? イトウさんのシーズン開幕
・アルファチャレンジにニューマシンを投入し、いきなり自己ベストを更新!
・アバルト595/695購入ガイド:赤か黒か色選びで迷ったら?
・アバルト595をより速くする方向性がみえてきた
・アバルト595は仕様を大幅に変更できるところが魅力