ロードスター NR-Aで氷上トレーニングに行ったけど・・・やっちゃいました

2025.03.21

女神湖・氷上ドライブ 〜まさかの1週間フライング編〜

氷上ドライブ、それはクルマ好きにとって特別な体験だ。2月9日、長野県の女神湖で開催された氷上ドライビングイベントに、ロードスター NR-Aでレースに参加している上田選手に誘われ、体験してきた。

以前に、日産のジャーナリスト向け試乗会で凍った女神湖をGT-Rで走らせたことはあったが、今回は試乗ではなくじっくりと練習をするプログラム。ロードスター NR-Aのサーキットでの挙動は知り抜いているが、氷の上は未知の領域。「氷上でのクルマのコントロールはどんな感じだろう?」と期待に胸が膨らんでいた。

もともと上田さんは土・日連続で走る予定だったところ、僕もどうかと誘ってくれた。ところが僕はロードスター NR-Aのスタッドレスタイヤを持っていない。すると上田さんが、「オレのロードスターを交替で運転しましょうよ」とナイスな提案。ありがたく乗せてもらうことにした。

ところが、そこには大きな落とし穴があったのだ。

1週間の時空を超えて

翌週の土曜日、僕は新しく装着したオールシーズンタイヤダンロップ・シンクロウェザー」を装着したジープ コンパスで向かった。ラッキーなことに一部屋だけ開いていると言われた上田さんと同じ佐久平のホテルも予約できた。

およそ2時間、150㎞程走って軽井沢手前の横川サービスエリアに到着。上田さんもそろそろホテルに帰るころだろうと思い、LINEに「もうすぐホテルに着くよ。何時頃夕食を食べる?」と連絡した。

するとすぐに電話がかかってきた。

上田さん「太田さん、いまどこにいます?」

太田「横川のパーキングだよ、もうじき着くよ」

上田さん「氷上は来週です、来週です」

太田「えっえっ。。。。」

上田さん「すみません、LINEには9日と書いたんですが……」

LINEを見直すと、確かに「9日の日曜日です。」と書いてあったのだ。

歳をとると脳の情報処理能力が低下して、自分の過去の経験から答えを導き出し、外部の情報を取り入れなくなるそうだ。つまり「思い込み」。今回は「日曜日、ニチヨウビ」と思っていたら2月2日が開催日だと思い込んでしまったのではないか。

脳の情報処理能力低下はときどき自覚することもあったが、まさかここまでとは…。

さて、どうしようか? そうだ、妻が友達と軽井沢に遊びに来ている。乗っけて一緒に帰るか。それとも泊るか。電話をすると、「今もう軽井沢駅にいて、私は友達と電車で帰る」、と。

かくして僕は、往復4時間かけて、横川サービスエリアの250円の焼きまんじゅうを食べるという、実に贅沢なドライブを満喫したのであった。

ついに氷上へ

そんなこんなで迎えた本物の開催日、2月9日。道は完全に頭に入っていたので、気分的にはすぐに女神湖へ到着した。

今度は本当に仲間と一緒に夕飯を食べ、翌日の朝を迎えた。ちなみにコンパスに履いたダンロップ・シンクロウェザーはドライの高速道でも雪道でも凍結路でも快適だった。なんせ安心感が違う。

さて女神湖に到着し、スタッフさんから説明を受ける。「降車時に転倒する人が多いから気を付ける」「雪の壁に突っ込むと氷が薄いので落ちるかもしれないので近づかない」。——慎重に行こう。

いよいよ氷上へ。まずは定常円旋回パイロンスラロームを試す。5〜10km/h程度の極低速でクルマが横滑りを始める。雪の上と氷の上ではグリップ感がまるで違い、何をやってもタイヤが滑る。コツとしては、曲がりたいところからかなり手前でハンドルを切る感じ。サーキットではあまりスピンしないが、この日はしまくりだ。コースを走ってもレコードラインなど関係なく、氷が露出していない雪の部分を探しながら走るのが速かった。

一日中繰り返すうちにコツが掴めてきて、定常円旋回が形になってくる。この氷上イベントには25台ほどが参加しており、すでにモータースポーツを楽しんでいる人たちが練習に来ている雰囲気だったが、ドライビングスキルのアップにつながる定常円旋回は遊びとしても面白いので、モータースポーツの第一歩として、こういうことから始めてもいいのかもしれない。

氷上走行のリアル

氷の上でドライブできる環境があるのはありがたいが、大量の雪が降ると氷が重みに耐えきれず割れるリスクがあるそうだ。さらにクルマの重量も影響するため、駐車時は分散するように指示が出ていた。

普段のサーキットとはまるで違う世界。氷の上では、スピードを出さずともクルマの動きを繊細にコントロールしなければならず、ドライビングの基礎が試される。こうした経験は、いざという時に活きるだろう。

次回は、何よりも開催日を間違えずに来よう——そう自分に誓って、女神湖を後にした。

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