アルファロメオ・ジュリアの軌跡【第3回】ジュリアの進化とラインナップ拡充 ― プレミアムFRセダンとしての確立

2025.04.10

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~ヴェローチェからティアマントまでの深化と競争力~

クアドリフォリオだけじゃない、魅力的なラインナップ

ジュリアの真価は、ハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」だけに留まらない。
「スーパー」「ヴェローチェ」「ティアマント(海外仕様)」といったバリエーションを通じて、アルファロメオは真のFRスポーツセダンとしての多層的な魅力を展開してきた。

これらのグレードは、競合するBMW 3シリーズやアウディ A4とは明確に異なる“運転する歓び”を提供することを目指して設計されている。

ジュリア・グレード別比較(日本市場向け)

グレード

駆動方式

エンジン

出力

特徴

Super

FR

2.0Lターボ

200ps

エントリーだが俊敏なハンドリング

Veloce

AWD

2.0Lターボ

280ps

4WD+アダプティブサスで万能型

Quadrifoglio

FR

2.9L V6ツインターボ

510ps

フェラーリ由来の圧倒的パフォーマンス

 

ドライバーズカーとしての統一された設計思想

すべてのジュリアは「ジョルジオ・プラットフォーム」を共有している。この点こそが、ライバルに対する最大の強みである。

例えば、エントリーグレード「スーパー」でも以下のような共通点がある:

  • ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション
  • アルミ製パーツによる軽量構造
  • リニアで鋭敏なステアリングフィール
  • 後輪駆動にこだわったレイアウト(※一部AWD除く)

つまり、クラスに関係なく“アルファロメオとしての走り”が保証されているのだ。

インテリアの進化:2020年以降のアップデート

2019年末から2020年にかけて、ジュリアは大規模なマイナーチェンジを実施。内装の質感や操作性の向上が図られた。

  • センターコンソールの再設計
  • 8.8インチタッチディスプレイの標準化
  • 物理スイッチの質感改善
  • ADAS(運転支援)機能の拡充

このマイナーチェンジにより、ジュリアは“走り重視”だけでなく、日常使用における快適性や利便性も大きく向上した。

FCAグループ内での位置付けと“STLAプラットフォーム”の未来

ジュリアは、FCA(フィアット・クライスラー)内で開発された最後の純ガソリンFRスポーツセダンとも言える存在。
現在、FCAはPSAと合併し、「ステランティス」へと統合。今後のジュリア後継モデルは、**STLAラージ・プラットフォーム(BEV対応)**での展開が噂されている。

つまり、この現行ジュリアは**“内燃機関スポーツセダンの集大成”**と位置付けることができる。

次回予告

次回は、現行モデル(2022年以降)のフェイスリフトや、電動化への道、そしてジュリアが今後どこへ向かうのかを展望していきます。

【第4回:ジュリアの未来と電動化 ― “最後の純ガソリンFR”という誇り】