「見せる」から「使う」へ進化した東京オートサロンの現在地を読み解く

  • 太田哲也
2026.05.07

東京オートサロンは“大人”になったのか

カスタムカーの世界は、確実に変わってきている。
派手さを競う時代から、「どう乗るか」を考える時代へ。

その変化を、今年の東京オートサロンで強く感じた。

昔のオートサロンは、とにかく派手だった。車体の全面にスワロフスキーやジルコニアを貼り付けたクルマが並び、「ここまでやるのか」と驚かされたものだ。いわば“見せるためのカスタム”が主役だった。

ところが今回、会場を歩いていて目に入ってきたのは、そうした奇抜さを競うクルマではなかった。実際にどう使うのか、どんなシーンで乗るのか――そうした現実の延長線にあるカスタムが多くなっていた。

思わずニヤリとするセンスのいいカスタム

往時と違い、そのまま自分のクルマに取り入れられそうな仕様が増えていた。ショーのための仕様ではなく、現実とつながっている。カスタムが特別なものではなく、日常の中に入り込んできたことの表れなのだろう。

もちろん、高価なスーパースポーツカーに莫大なコストをかけたギンギンのカスタムも健在だ。ただ、自分の中では少し距離を感じた。現実的に自分が手に入れてどうするか、という視点でクルマを見るようになったからだろう。

愛車を素のまま乗る気にはならないが、ここ最近は大きなエアロパーツを装着するような外装カスタムには興味がなくなってきた。自分のクルマに付けたら「コテコテだな」と感じてしまうような過度な意匠は、どうも心に響かない。万人にアピールするのではなく、わかる人にだけわかるカスタム。思わずニヤリとさせてしまうようなセンスのいいカスタムをしたい。

「実際にどう乗るか」「どう使うか」というリアルな視点

そういう目で見ていくと、オートサロンそのものが自分の感覚に近づいてきたとも言える。派手さや奇抜さではなく、「実際にどう乗るか」「どう使うか」というリアルな視点が前に出てきている。

オートサロンは変わったのか。それとも、こちらの見方が変わったのか。
おそらく両方なのだと思う。

(続く)

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