ヒュンダイによる国内導入4モデルめ

インスターは、韓国のヒョンデが生産するスモールEVで、日本導入EVとしては4車種目になる。
ヒョンデいわく「自由を愉しみ、ゆとりを楽しむオールマイティ・スモールEV」。ただ、初見は、「女子中高生なら“かわいいー!」と声を上げそうな、キャラ立ちしたキュートさ。
しかも試乗車は黄緑色。――年齢的に僕が運転していると、違和感を持たれないか、ちょっと不安になった。
日本の道路事情に特化した仕様

技術説明によれば、日本の道路は韓国より狭く、路面も荒れていて、さらに高速道路にはジョイントが多い。そこで日本仕様は、本国に比べ足まわりをやわらかくしているという。へぇ、そうなんだ。わざわざ日本用に手を入れた姿勢に素直に感心した。
そういえばステアリングのアシスト量も増やして軽くしてあると広報担当者が話していた。
電気自動車はエンジン音がないぶん、風切り音やロードノイズが気になりやすい。だがインスターはコンパクトカーにもかかわらず、静音対策も講じられていた。
好印象のサスペンション

さらに感心したのが、サスペンションの味つけだ。伸び側を強め、縮み側を弱める――姿勢安定性を高めつつ乗り心地を良くするために、TEZZOがカスタムの車高調を作るときの基本方向だが、インスターもその流儀でまとめてある。小さなEVだからこそ、ごまかしが効かない部分で、きちんと作ってある印象だ。
日本仕様のサスペンションは快適性と安定性のバランスが良く、ドライブモードも含め、街乗りから高速まで素直に応えてくれる。動き出しの抵抗感も抑えられていて、スッと転がる。ありがちな安物っぽさはない。幅広い年齢層へオススメしやすいEVだと言える。
また「ペダル踏み間違いセーフティアシスト(PMSA)」をヒョンデとして初採用するなど、安全装備もやるべきことはやっている。
キュートなエクステリアは乗り手を選ぶか

ただし僕の歳には、やはり、あの“ポップでキュートな雰囲気全開”のエクステリアは少々気恥ずかしい。そこでアクティブスタイルの新グレードとして加わる「インスタークロス」に注目したい。専用バンパーやルーフバスケットを備え、タフな雰囲気がある。とくにサイドに木目を貼った仕様は昔懐かしく、好みだ。
クルマの機能面は、よくできた印象だが、このクルマのユーザーターゲットであろう若い女性が、積極的にEVを選ぶかどうかは未知数だ。
まだ日本では、EVは“先進志向の人が選ぶもの”というイメージが依然として強い。現時点ではまだ男性ユーザーが中心。そういう点では、ユーザーが本当にシンクロするのか。インスターがどう評価され、選ばれるのか、実に興味深い。
〇スペック
ヒョンデ インスタ― Lounge
・全長×全幅×全高:3,830mm×1,610mm×1,615mm
・ホイールベース:2,580mm
・車両重量:1,400kg
・モーター:交流同期電動機
・最高出力:85kW(115PS)/5,600-13,000rpm
・最大トルク:147N・m/0-5400rpm
・駆動用バッテリー:リチウムイオン
・総電力量:49.0kWh
・一充電走行距離(WLTCモード/国土交通省値):458km
・トランスミッション:1段変速機
・サスペンション:前/マクファーソンストラット
後/トーションビーム
・ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
・タイヤ(前後):205/45R17
・車両価格:357万5000円(税込)〜
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