イタリア政府に禁止されたネーミング

新世代のアルファロメオを象徴する新型車として2024年に発表されたコンパクトスポーツカーは当初「ミラノ」という車名だったが、イタリア政府から法律で禁止されていると指摘され、急遽「ジュニア」に変更された。
ジュリエッタやミトあたりのアルファロメオを愛用しているファンは、誰よりも「なんで?」と思ったかもしれないが、既述したように、かつてGT1300ジュニアおよびGT1600ジュニアというクルマが存在していたのだ。
ジウジアーロによってデザインされたジュリア クーペ(=ジュリア スプリントGT)の成功を受け、アルファロメオは新しい顧客を引きつけるために高額な購入費用やランニングコストを抑えたモデルもリリースすることにした。
このときに誕生したクルマこそがジュリア クーペの廉価版として登場したGT1300ジュニアで、ジュリアという名前が付いていなかったにもかかわらず安価だったこともあり、一躍人気モデルとなった。
すぐさまアルファロメオの新車ラインナップにおけるベストセラーとなり、ジュニアはその時代を象徴するシンボルになる。
ちなみに、GT1300ジュニアはアルファスッド スプリント、GT1600ジュニアはアルフェッタGT 1.6とバトンタッチ。その歴史に幕を下ろした。
ジュリアまでが本物のアルファロメオ?

ジュリアだけでなくジュニアもアルファロメオにとって由緒あるネーミングなので、新しいジュニアも新しいジュリアと同じように人気モデルとなることを祈っているが、クルマ好きが「どのモデルまでが本物のアルファロメオ?」と考えたときに「ジュリアまで」と考える好事家もいる。
アルファロメオをアルファロメオたらしめている要素、それはアルファの名が初めて冠された記念すべきモデルである24HP Torpedoが鋭意生産されていた創成期やA.L.F.A.を買収したニコラ・ロメオが尽力していた時代を経て、今日に至るまで脈々と受け継がれてきた熱き血統(熱きDNAといったほうが正しいかもしれない)に他ならない。
アルファロメオの精悍なエンブレムには“すべては勝利のために”という、持ち前のスポーティさをウリとするアルファならではのアイデンティティが秘められているが、この気高き精神を根幹として、グランプリを戦っていた時代は言うに及ばず、戦後、量産車メーカーに転身した後もアルファロメオはスポーティなブランドイメージを一貫して守り通し、また世界中の人々から愛され続けてきた。
そう考えると「アルファロメオであってもSUVはちょっと違う」と思うのは普通のことで、ジュリアまで、という意見は的を射ているといえるだろう。TEZZOがリリースしているハードパーツを装着したステルヴィオ、トナーレ、ジュニアはイメージできないので、やはり、そういうことなのだと思う。
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