ケン・オクヤマさんがアルファ4Cで山形から遥々参戦!
2024.10.04
ドライビングスクールを主催し、多くの人々にクルマの安全な運転方法やスポーツドライブの楽しさを伝えてきた太田哲也校長は、その多方面にわたる活動の結果、豊富な人脈を築いている。今回、アルファロメオチャレンジに“TB RACE & SEERVICE”のサポートを受けて参加したKEN OKUYAMA DESIGNを率いる奥山さんもそのひとりだ。
奥山さんはカロッツェリア「ピニンファリーナ」在籍時にフェラーリのデザインを手掛けたことでも著名な工業デザイナーであり、自らのブランドを世界に発信する多忙な日々の隙を見てはサーキット走行を楽しむカーガイ。
愛車のアルファロメオ 4Cを山形から自走で運んだという奥山さんに、久し振りに走ったという富士スピードウェイの感想と、太田校長との馴れ初めについて伺ってみた。
アルファロメオチャレンジには2017年から参戦している奥山さん、最後に走ったのは2021年とのことで久し振りの富士スピードウェイだったが、当日は朝から生憎の雨模様だった。この日のために遥々駆けつけたというのに残念。
奥山さんは職業柄クルマ関連のイベントにも多数足を運んでおり、フェラーリのイベントに赴いた際に太田校長と知り合ったという。そして袖ケ浦フォレストレースウェイで開催されていた太田校長のドライビングスクールにも参加するようになったそうだ。
「アルファ4Cは基本設計が優れていて素性が良いミッドシップマシンですが、ノーマルではクセがあるモデルなんです。それを太田校長に相談して足まわりのセッティングを変更してもらったら激変したんですね」
ミッドシップ車はウェイトバランスが良く挙動が素直であるため、システムの良し悪しや操作の粗もまたダイレクトに現われる。4Cはボディの縦横比も理想的なスポーツモデルだが、ハンドルの重さや足まわりのセッティングが原因でポテンシャルを引き出せていなかったという。
「セッティングひとつでこれほど変わるとは思っていませんでした。まさに目からウロコです」
デザイナーとして数々の名車を生み出し、自らステアリングを握ってスポーツ走行をこなす奥山さんですら、クルマはまだまだ奥が深く日々勉強であるとのこと。この日もまた、太田校長にデータロガーを使って記録した自分の走行を分析してもらい、それを基に走りの質を向上させていく作業に没頭していた。
奥山さんはかつて、水泳やスキーなどのスポーツで全国レベルの活躍をしてきた選手だったそうで、チームスポーツよりも個人競技を好んできたとか。サーキットでも他者と競うというより、ストイックに自らと向き合いタイムを削っていく姿が印象的だった。
今回は午後から天候が回復してドライ路面を走れるようになり、奥山さんも久し振りとはいえベストタイムを目指してラップを重ねる。しかし思ったほどのタイムは記録できず残念そうだった。太田校長からは「タイヤが3年前から交換されていないのも原因のひとつ。暫定的な目標の2分02〜03秒を達成するならまずはタイヤ交換ですね」とアドバイスされていた。
数多いアルファチャレンジ参戦車の中でも少数派のアルファ4Cを、クールでありながら情熱的に走らせる奥山さんの姿はまさにジェントルマンレーサーのそれ。ハードウェットからドライまで路面状況がくるくる変わる難しい1日だったが、アバルトチャレンジに参戦していたイトウさん、イソザキさんと共にスポーツ走行を楽しんでいた。
アルファロメオチャレンジでは車両クラスや走行形態の違い(レース/タイムトライアル/ファミリー走行他)によって走行枠が用意されるのでスキマ時間も発生する。この空き時間は通常、太田校長によるドライブテクニックのレクチャーが行われるわけだが、それ以外にもクルマ好きが集まった場ならではの雑談が大いに賑わった。
奥山さんが手掛けるスーパースポーツモデル製造の話は多岐にわたり、会話の輪に加わっていたイソザキさん曰く「この雑談だけで講演会が開けるのでは?」という濃さ。スポーツドライブで汗をかいて日頃のストレスを発散し、同好の士と趣味の会話を存分に楽しめる・・・これぞジェントルマンレースならではの愉悦に違いない。
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