KEEP ON RACINGのスピリッツとは?
2024.07.26
TEZZO RACERS CLUB(太田哲也とオヤジレーサーズ)の活動は、2000年代からスタートした。40代以上の欧州車乗りを対象にしたこのクラブは、『「KEEP CHALLENGING FOR LIFE」という志をもった社会人レーサーズクラブである。』と、会員IDカードに記載がある。
続けて「クラブ会員は、モータースポーツ文化の発展、振興のため、そして明るい社会を作るため、イキイキとチャレンジする姿を若い世代に示し、社会に向けてKEEP ON RACINGの精神を伝えることに貢献する」とし、ドライビングスクールの主催やアマチュアレース参戦サポートなどの活動を行ってきた。
実践的なテクニックや安全意識を啓蒙する太田哲也を「太田校長」として仰ぎ、趣旨に賛同した人々が続々と参加したオヤジレーサーズに、イソザキさんが加入したのは2011年のこと。以来、イソザキさんはモータースポーツを現在も存分に楽しんでいる。
先日のイトウさんに続き「ボクのKEEP ON RACING」でご紹介するイソザキさんはこの日、富士スピードウェイで開催されたアルファロメオチャレンジに参戦していた。
「クルマは好きでしたが、公道で楽しむのは限界があると知り、サーキット走行を目指して太田校長が袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催したスポーツドライビングレッスンを受けました。そこからですね、本格的にモータースポーツを楽しむようになったのは」
そう語るイソザキさんは、モータースポーツ参戦歴10年というベテラン選手である。サーキットでの愛車・アルファロメオ ミトのセッティングやカスタムにも余念がなく、そこにはホビーとしてレースを楽しむアマチュアレーサーの模範的な姿が垣間見える。
今回のアルファロメオチャレンジにも“TB RACE & SEERVICE”のサポートを受けて参戦しているイソザキさんは、太田哲也校長が語るアドバイスに耳を傾け、自らが立てた目標をクリアするためにミトのセッティングを詰めていく。
「ミトの前はアルファロメオ156 2.0 JTSでアルファロメオチャレンジに参戦していました。5年の間に給排気系や足まわり、LSDの導入などフルチューンを施しています。アルファロメオチャレンジはレギュレーションが緩くカスタムの自由度が高いのも魅力ですね」
「ただこの156はほぼすべてに手を入れてもタイムが伸びなくなり、限界を感じたので現在のミトに乗り換えました。ミトは今年が5年目になります。ノーマル状態でも156より早いラップタイムを刻みます。車体の軽さも大きく影響しているかもしれません」
156からミトに乗り換え、FSWのストレートはメーター読みで190km/hを超えたという。こうして順調にステップアップしてきたイソザキさんだが、現在のミトは5年目とあって「そろそろ乗り換えるか検討中」と語る。
というのも、ミトは以前に乗っていた156と同じようにある程度手が入ってカスタムの余地は無くなったうえ、156と同様に5年目という節目を迎えており、常に向上心を持ってモータースポーツに取り組んできたイソザキさんにとっては次のチャレンジへのタイミングに思えたからだろう。
オヤジレーサーズのポリシーは「KEEP ON RACING」であり「KEEP CHALLENGING」である。イソザキさんが次なるステップを検討しているのも当然と言える。
「実はアバルト595を既に入手していますので、こちらもサーキットデビューさせたいと考えています。とはいえ、ミトの引退はまだ考えていません」とはイソザキさん。今回の富士スピードウェイでも、ミトの足まわりを納得いくまで繰り返しセッティングしていたのが印象的だった。
前回と今回、イトウさんとイソザキさんのおふたりにお話をうかがい、あらためて「KEEP ON RACING」のスピリッツに触れた気がした。オヤジレーサーズの資格を得た年代は、何かしら人生の節目を越えている世代。もちろん、ちょうど一段落過ぎたところであり、次なる節目が間もなく訪れることもあるだろうが、新たな挑戦を笑顔で行なうその姿は周りの人にも勇気を与えてくれる。
これからも「KEEP ON RACING」の精神をもって活躍する人々をこのコーナーで取り上げていく予定だ。
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