現行アルピーヌA110は旧車のような心構えが必要!?

2024.07.05

2020年、日本上陸と同時に購入したのだが、初めての夏を迎えるころ、トラブルが続出した。路側帯がなく逃げ場のない首都高6号三郷線を走行中、燃料ポンプトラブルで急にエンジンが停止(その後、リコールが出た)したり、ビルの地下駐車場でエンジンが再始動しなかったり(電気系)、その他にも、スピードが30km/h以上出なくなる(リミッター作動ではない)など、まるで旧車マニアが遭遇するような不具合をいろいろと経験してきた。

2017年にジュネーブ・ショーで発表された新生A110は、すべてが新しいモデルなので初期故障がいろいろ起きるのはある程度仕方がない面もあるが、それにしても立ち往生するとどうにもこうにも困ってしまう。ディーラーから聞いたのだが、燃料ポンプトラブルは同日に僕以外にも数件同じ目に遭ったユーザーがいたらしい。湿度の高い日本の気候とマッチしなかったということなのだろう。設計変更を施した対策品が用意されていて、それに変更してもらった。

トラブルが出ない日もあるが、立往生したり再始動しなかったり、といった不具合を経験してしまうと、「もしかしたら今日もどこかで止まるかもしれない」とか、「またエンジンがかからなくなるかもしれない」と疑心暗鬼となり、快調に走っているときもドキドキする。

これがまだ趣味性が強いクラシックカーであれば、天気がいい日にトラブルが起きてツーリングに行けなくなってしまったとしても笑い話のネタになる、という考え方もできるが、ビジネスシーンで使うクルマとなるとシャレにならない。当たり前のことだが約束の時間に遅れてはならないし、自宅までその日のうちに必ず帰ってこられないと困るのである。

遠くに行くときや、時間厳守が絶対な時はアルピーヌはやめにしておこう。そう思っているうちに乗らなくなってしまった。別のクルマがファーストカー(通勤カー)に昇進だ。

何ヵ月も乗ることがなかったので、自分のA110に関しては、1963年にデビューした先代A110を所有しているかのような旧車気分で所有すればいい。そう思っていたが、それではやはり楽しくない。そこで熱トラブルが生じないであろう今年の冬の間に、ちょっとずつ近場の移動に使い始めてみることにした。

人間というのは面白いもので、しばらくの間トラブルが起きていないと「もう平気なのでは」と思うようになってくる。そうして少しづつ行動範囲を広げている。もしこの調子で、夏を乗り切ることができれば、またファーストカーに昇格することだろう。

読者のみんなも、ノントラトラブルを祈ってほしい。

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