アルピーヌA110、レザーシートのメンテナンス
2024.02.05
現行型のアルピーヌA110は、僕にとって最良のデイリースポーツカーだ。そう考えて普段の足として通勤に使ってきた。
ところが乗り始めてもうすぐ4年になるが、日常的に乗り降りする機会が多いこともあってか、レザーシートにひび割れが発生してきてしまった。本革は一度シワができてしまうと同じところに再びシワができる性質を持っていて、そのシワの部分からひび割れが発生してしまったようだ。とりあえず革ジャンパー用の保革剤を塗って保湿してみたものの、修復する様子はない。今後、ひび割れがもっと進行したら、染めQのようなスプレー塗料などで塗るしかないのかな。染めQだと革の風合いを損ねるが、ひび割れしているよりはいい。ラッキーなことに僕のA110のシートは黒なので、色を合わせやすいが、これが赤シートとかだったらDIYでのリペアは無理だったと思う。
今までイタリア車に多く乗ってきて、たとえばアルファロメオの革シートは、オイルを塗らなくても3~4年ぐらいではひび割れることはなかった。黒に限らず赤や白の革シートもあったが、変色など経年変化も少なかった。アルファロメオはラグジュアリカーではなくて実用的なプレミアムカーの範疇だが、革シートを多用する例が多く、フェラーリやマセラティなどが取り扱うサプライヤーとも関係がある。やはり古くから本革のなめし、染色、表面加工技術などが発展しているイタリア車メーカーやサプライヤーは、クルマに使うべきレザーのことを知り抜いていて、最適なものを最適な箇所に選択しているということなのであろう。
フランス車は、小さな高級車として知られるルノー サンク・バカラなどの例外もあるが、歴史的に実用車にも本革シートを採用してきたイタリアと比較すると、圧倒的にサンプル数が少ない。今回のヒビ割れについて言えば、アルピーヌはプレミアムカーだが、あくまでも実用車メーカーであるルノーが造ったプレミアムなので、革シートに関してイタリアのようにはいかなかったということなのかもしれない。現行型のアルピーヌA110は2017年にデビューしたまったくの新しいクルマで、各種パーツおよびマテリアルを新しいサプライヤーとの付き合いの中で集めたために、燃料ポンプその他のトラブルやシートの耐久性などが担保できなかったのかもしれない。
今回、革シートに関して、アルファロメオやフィアットをはじめとするイタリアの実用車ってスゴイな、と改めて思った。フランス車に乗ったことで、長年乗ってきて当たり前に感じていたイタリア車の優れた点に気づいたということだ。複眼的にクルマを捉えることが大切だということを再認識させてもらった。
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