ビースポーツ ロードスター・マスターズ SUGO大会終了

2023.07.19

マツダ・ロードスターNR-Aのワンメイクレースとして開催される「ビースポーツ ロードスター・マスターズ」は、大人たちが気軽にレースの魅力を楽しむ大会だ。年齢を問わず、参加者たちは互いの世代と競い合うことができるようにクラス分けがされている。40歳から44歳までが「M40クラス」、45歳から49歳までが「M45クラス」という具合だ。私はで「M60クラス」に参戦している。

昨年は袖ヶ浦フォレストレースウェイと筑波サーキットの二大会にエントリーしたが、今年はもっと多く出ようと考えていた。しかし初戦の岡山国際サーキットで遠すぎて断念。だから今年の初マスターズは、4月22日宮城県のスポーツランドSUGO戦となった。

高速コーナーが多いSUGOでは、筑波セッティングのままでは挙動が不安定になると思っていたが、試してみようとそのままセッティングを変えずに臨んだ。予選では不安定さを感じたが、なんとか総合2位で予選を終え、決勝ではM60クラス優勝、総合では2位だった。
総合優勝者はロードスター・パーティレースにも参戦しているM40クラスのドライバーだた。彼は安定して速くて、追いつくことはできなかった。今後は若者(?)に負けないように、体力増強に専念したい。

大会ではM40クラスが多かったが、驚くべきことにM75クラスのドライバーも参加していた。70代でも走れるんだ! 将来の新たな目標を見つけた。

宮城県まで約400キロ、決して近くはないが、それでも遠征することにしたのは、いつも筑波サーキットで一緒に走っているシリーズ戦の選手たちから「一緒に行きましょう、決勝日が違うから面倒は見ますよ」と誘ってくれたからだ。彼らの言葉はお世辞ではなく、本当にお世話になることになった。

前日の金曜日に筑波のガレージに預けてある自身のロードスターNR-Aをピックアップし、自走で宮城県に向かった。長い旅だが東北道の新緑を楽しみつつのんびり走る。SUGOに到着するとすでに他の参加者たちは走行していた。私も急いでクルマに乗り込み、15分ほどの走行を楽しんだ。

マスターズはいつもは時間的余裕があるのだが、今回は他のレースと同日開催のため、土曜日の午前中に合同練習会、午後に予選と決勝と、いつもよりスケジュールがとてもタイトだった。合同練習会が終わるとすぐに予選に参加、そして予選が終わるとすぐに決勝前ブリーフィング、戻ってくるとすぐに決勝が始まるという、僕にとっては目まぐるしいスケジュールだった。

その日は周りの選手から「太田さん、そろそろブリーフィングですよ」などと声をかけてもらいつつスケジュールをこなしていったが、決勝直前に衝撃の事実に気付いた。なんと、ガソリンを入れてなかったのだ。空っぽだ。もはや自分でガソリンを買いに行く時間的余裕はなく、一体どうすればいいか悩んでいたら、選手仲間が自分の携行缶のガソリンを補給してくれた。「太田さんは、乗り込んで支度してください」と。感謝の気持ちでいっぱいだ。

しかしヘルメットを被ってハーネスつけて、時間通りにコースインしなければならない。コースインが遅れるとペナルティでピットスタートとなってしまう。時間は刻一刻と迫っていた。あせると間違えてしまいそう。オフィシャルたちも心配そうな表情を浮かべて見ている。仲間が僕のハーネス装着を手伝ってくれて、なんとかぎりぎり10秒前にコースインできた。

一周回っスターティング・グリッドに向かうと、また仲間たちがコース上で待ち受けていた。ハーネスの確認やロガーのセットなどをやってくれたおかげで、決勝レースに向けて準備が整った。

今回、仲間たちの温かいサポートと連携がなければ、僕はスタートを切ることができなかっただろう。
仲間のありがたさを実感、単なるレース以上の価値を感じることができた。

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