大谷翔平はなぜテスラ・モデルXを選んだのか?
2025.04.24
―トップアスリートが選ぶEVの真価を探る―
メジャーリーガーとして世界を熱狂させる大谷翔平。その驚異的なパフォーマンスやストイックな生活スタイルはよく知られているが、彼の“愛車選び”にもその哲学は色濃く表れている。今回は、大谷選手が選んだテスラ「モデルX」という一台にフォーカスし、なぜ彼がこのクルマを選んだのかをモータージャーナリストの視点から読み解いていきたい。
EV先進地域・カリフォルニアの事情
大谷選手が移籍前まで所属していたロサンゼルス・エンゼルスの本拠地、アナハイムを含むカリフォルニア州は、全米でも電気自動車(EV)普及率が最も高い地域のひとつだ。EVに対する優遇政策が多く、充電インフラも他州と比較して格段に整っている。
そのような環境下で、EVを選ぶことは決して特別な行為ではない。むしろ、効率と環境意識のバランスを重視する人々にとっては、ごく自然な選択肢となる。
テスラ・モデルXの性能と合理性
モデルXは、テスラがラインナップするSUVモデル。大谷選手が所有していたのは「P100D」という最上級グレードで、0-60マイル加速はわずか2.9秒と、スーパーカー顔負けの動力性能を誇る。
その一方で、キャビンは広く、静粛性も高く、長距離移動やキャンプ地への移動にも適している。加えて、自動運転支援機能「オートパイロット」や、モデルXの象徴である“ファルコンウイング”ドアなど、先進的かつ実用性の高い装備も魅力的だ。
このような「高性能」と「快適性」を併せ持つモデルXは、限られた移動時間すらも効率的に過ごしたいトップアスリートにとって、まさに理想の移動空間といえるだろう。
“初めての愛車”にモデルXを選んだ意味
大谷翔平選手がアメリカで運転免許を取得したのは、メジャー移籍後まもない2018年。そのとき、彼が最初に選んだ愛車がモデルXだった。
これは単なるスペック重視の選択ではない。安全性、先進性、環境配慮、そして彼の“未来志向”な価値観が結実した選択だと感じる。大谷選手は、派手なカスタムやブランド志向の車選びを避け、自らの哲学に合ったクルマを選んだのだ。
テスラと世界への影響
興味深いエピソードがある。大谷選手がモデルXを購入した際、テスラ取締役の水野弘道氏がその様子をSNSに投稿。これに対して、テスラCEOイーロン・マスク氏が日本国旗とハートの絵文字で反応した。大谷翔平という世界的アイコンの“選択”は、メーカーにとっても大きな意味を持つ。
最後に:クルマ選びは人となりを映す
大谷翔平がモデルXを選んだ背景には、静かに、しかし確固たる意思がある。環境、テクノロジー、パフォーマンス、そして日々の生活における合理性。彼のクルマ選びには、プレースタイル同様、一切の無駄がない。
クルマは単なる移動手段ではない。選ばれた一台には、その人の価値観と未来へのまなざしが映っている。大谷翔平が選んだモデルXは、まさにそんな一台だった。
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