BRZベースのターボ4WDが誕生

先日、スバルの開発を率いる藤貫専務と、食事しながらじっくりと話す機会があった。
現在の全日本ラリーでは、トヨタのGRヤリスが圧倒的な速さを見せており、WRXではサイズが大きくて勝負にならない。そこでスバルは、NA+FRの「BRZ」をベースにしたターボ4WDマシンを投入するそうだ。ドライバーは新井敏弘選手が務める。
搭載されるエンジンは水平対向4気筒2.4リッターのFA24ターボ。最高出力は280PS以上、最大トルクは500Nm。トランスミッションは6速シーケンシャルを組み合わせるという。車両名はSUBARU Boxer Rally spec.Zだ。
市販車をベースにしながらも、競技のために大胆に再構成されたスペシャルマシンが全日本ラリーに参戦する。こういうクルマが認められるレギュレーションは実に面白い。ぼくはラリーの専門家ではないが、かつて世界ラリー選手権で活躍したランチア037ラリーのような、メーカーの個性や技術が色濃く反映されたスペシャルカーが走る姿には、大きな魅力を感じる。
本格的なミッドシップスポーツの夢

そして、ぼくがワクワクしたのは、その一台の存在だけではない。
「ベース車を自由に作り替える」という発想が示されたことだ。
そう考えると夢はさらに広がる。スバルはポルシェと同じ水平対向エンジンを持っている。そのエンジンをミッドシップに搭載するレイアウトを採れば、ボクスターやケイマンのような、本格的なミッドシップスポーツだって発想としては十分にあり得る。
スバルのコンポーネンツを活かした「スバル版ボクスター」のようなクルマが誕生したら、どれほど面白いだろう。スバルがポルシェと真っ向勝負をする。そう考えるだけで痛快だ。
実は、こうした発想はTEZZOが以前から目指してきた世界でもある。既存のクルマを素材として、その魅力をさらに引き出し、新しい価値を与える。単なるチューニングではなく、「再構成」によるクルマづくりだ。
開発者が夢を見るからこそ、ユーザーもまた夢を見ることができる

日本車にも本格的なミッドシップスポーツが誕生する──そんな夢を抱かせてくれたのが、藤貫専務との会話だった。やっぱり、開発者はクルマ好きであってほしい。開発者が夢を見るからこそ、ユーザーもまた夢を見ることができるのだから。
夢が、名車を作るのだ。
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