マツダ CX-80:威風堂々たるラグジュアリーSUV、大排気量に再び惚れる
2025.01.04
2024-2025 日本 カー・オブ・ザ・イヤー 10ベストモデル「マツダ CX-80」
マツダの国内最上級モデル「CX-80」は、3列シートを備えたクロスオーバーSUVだ。
一目見ただけで、その堂々とした佇まいに心を奪われる。
しかし、このクルマの魅力は見た目だけではない。1000kmくらい試乗したが、走れば走るほど、特に3.3リッターの大排気量エンジンが、現代の内燃機関の素晴らしさを再確認させてくれたのだった。
デザイン:スポーティよりも威風堂々
CX-80のボディは、3列シートの居住性を高めたデザインが特徴的だ。CX-60をストレッチしたプロポーションだが、Bピラー以降のデザインはCX-80独自の仕上がりとなっている。
そのサイズ感は、全長4,990mm、全幅1,890mm。日本市場を意識して5m以内、1.9m以内に収められており、日本のファミリーユースに適している。
3列目のシートも大人が快適に座れるスペースを確保しており、さらにゴルフバッグやベビーカーも積載可能という実用性。前モデルのスポーティな雰囲気よりも、「威風堂々」という言葉が似合う存在感だ。
いまどき珍しい3.3リッターの直6ディーゼル
CX-80のラインナップの中でも注目は、排気量3.3リッターの直列6気筒ディーゼルエンジン。
このエンジンは低回転域から豊かなトルクを発揮し、高回転まで回さずとも快適にグイグイ走る。大排気量だが燃費性能も高いというマツダ独自のアプローチだ。
そして、この3.3リッターという排気量がいい。個人的にはやはり「3.3リッターです!」と言えるのが誇らしい。、それだけでCX-80を選びたくなる理由のひとつだ。
サスペンションの進化に安堵
以前、CX-60で長距離を試乗した際、乗り心地に課題を感じた。平坦な道では許容できたが、うねりのあるような道ではゴツゴツ感があった。CX-80ではその点が心配だったが、サスペンションのセッティングをやわらかい方向で見直し、しなやかな乗り心地を実現している。
具体的には、サスペンションのバネレートを相対的にやわらかくし、ショックの減衰は縮み側を抑え、伸び側を強める設定に変更、スタビライザーもなくすことで、快適性をあげている。
PHEVモデルとの対照的なキャラクター
試乗会では、初日にPHEVモデル、2日目にマイルドハイブリッド仕様に乗った。
PHEVモデルは排気量2.5リッターの4気筒エンジンを搭載し、高回転型の走りが特徴。一方、3.3リッターのディーゼルは低回転域からトルクが豊かで、両者のキャラクターが対照的だ。
僕個人としては、大排気量エンジンのほうがCX-80のラグジュアリー感とマッチしていると思う。奥さんから「買うならミニバンにしてよ!」と言われても、「いや、CX-80だって3列なんだよ」と反論できるし、自分としての満足も得られるはずだ。
太田哲也の視点:内燃機関の別な生き方を感じるCX-80
CX-80は、ラグジュアリーSUVとしての完成度だけでなく、3.3リッターの大排気量エンジンを積むことで、現代の内燃機関が持つ魅力を存分に引き出している。
特に、低回転域からスムーズに走るディーゼルのパフォーマンスは、他にはない体験だ。
いまどき貴重な3.3リッターエンジンを味わいながら、威風堂々とした存在感を楽しめるCX-80。大家族で乗る機会が多いのだが、ミニバンを運転している自分が許せないと思う人にはうってつけだろう。
マツダ CX-80 XD-HYBRID
●全長×全幅×全高:4,990mm×1,890mm×1,710mm
●ホイールベース:3,120mm
●車両重量:2,100kg(7人乗り)
●エンジン:直列6気筒DOHC 16バルブ 直噴ディゼルターボ
●排気量:3,283cc
●エンジン最高出力:187kW(254PS)/3,750rpm
●エンジン最大トルク:550N・m/1,500-2,400rpm
●トランスミッション:8速AT
●電動モーター:永久磁石式同期電動機
●電動モーター最高出力:12kW(16.3PS)/900rpm
●電動モーター最大トルク:153N・m/200rpm
●駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
●駆動用バッテリー容量:7.5Ah
●使用燃料:軽油
●タンク容量:36L
●サスペンション:前/ダブルウィッシュボーン 後/マルチリンク
●ブレーキ:前後/ベンチレーテッドディスク
車体価格: ¥5,071,000〜
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