【ジープ・グラディエーター試乗記】アメリカ西海岸に思いをはせた新しいライフスタイルを

2023.09.15

ジープのラインナップは思いのほか多彩で、チェロキーとラングラーだけが存在するわけではない。以前にも述べた通り、ジープの全モデルを試乗中だ。実は、最近、妻の新しい車選びに悩んでいる。そのため、ジープの各モデルを試乗しながら、山に行ったり、愛犬や愛鳥、荷物を積んで別荘に泊まったりしながら、最適な一台を見つけようとしている。今回試乗するのは、ジープ史上最大のピックアップトラックであるグラディエーターだ。

娘はファッション誌の仕事をしているが、彼女が欲しいと思うのはスポーツカーでもなく欧州車でもなく、ジープ・ラングラーだ。グラディエーターの外観の前半部分はラングラーと同じ。なおで試しにグラディエーターを借りてみた。娘の感想も聞いてみるつもりだ。
ちなみに娘はラングラーを道具として使うのではなく、ビジュアル的にかわいいとも思っているようだ。彼女は、可愛さを前面に出した軽自動車には興味がないそうだ。そういう女性もいるのだ。

僕は長らくイタリア車に乗り続けてきた。グラディエーターはそれとはまったく違う方向性で、いわばトラック。でも昨今、流線型のクルマがほとんどで、そこがかえって新鮮に映る。
高校生や大学生の頃、雑誌『ポパイ』で紹介されていたアメリカ西海岸のカルチャーに憧れていた。彼の地ではドレスアップしたピックアップトラックがたくさん走っていて、アメリカンカルチャーの象徴でもあった。

年齢を重ねると、また当時の憧れの気持ちが再燃するときがある。というのも最近、トヨタのハイラックスをよく見かけるようになり、ジープの各モデル、特にグラディエーターのようなピックアップトラックに興味を持つようになった。

それで実際にグラディエーターに乗ってみると、ラダーフレームとオフロード用の大きなタイヤが装備されており、路面の凹凸に対応して車体が揺れる。いかにもトラックらしい乗り心地だった。しかしゆっくり走っている限りは、この挙動が楽しいとも感じる。このクルマの評価は、この乗り味を魅力と感じるか、それとも洗練されていないと感じるかにかかっているだろう。

横浜港北地域のように広い駐車場が多い場所では不便ではないが、都内では狭い駐車場や立体駐車場が多いため、駐車には注意が必要だ。大きなボディサイズに気を遣う。燃費もあまり良くなかったように感じたが、「細かいことを言うなよ、おおらかに生きろよ」クルマに言われてる気もする。

グラディエーターは大きな荷台を持つことが特徴で、そこにレース用品を積んでみたが、走行中に雨が降ってしまった場合や、パーキングエリアやサービスエリア、コンビニ、ファミレスに立ち寄る際に盗まれる心配がある。カギのついた荷台カバーもあるようだが、何を載せるかアイデアが必要だ。

グラディエーターはオフロードバイクやマリンスポーツ用の装備を荷台に積んでアクティブに楽しむために最適だろうな。自分のライフスタイルに合わせてどのように利用するかを考える必要があるが、反対にグラディエーターを買って新しい趣味を始めるという考え方もあるだろう。グラディエーターを取り入れることで、自分の人生が豊かになるかもしれない。
こんなクルマに乗っていたらアメリカへの憧れと新しい趣味がミックスされて楽しいだろうな、と思った。

 

〇スペック
Jeep Gladiator Rubicon

●全長×全幅×全高:5,600mm×1,930mm×1,850mm
●ホイールベース:3,490mm
●車両重量:2,280kg
●エンジン:V型6気筒 DOHC
●排気量:3,604cc
●最高出力:209kW/6,400rpm
●最大トルク:347N・m/4,100rpm 
●トランスミッション:電子制御式8速オートマチック
●使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
●タンク容量:83L
●サスペンション:前後/コイルリジット
●ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク 
●タイヤサイズ:前後/LT255/75R17

〇プライス
Gladiator Rubicon ¥9,600,000

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