アレコレとカスタムのイメージが膨らむジープ・コマンダー

2023.07.06

現在のジープのラインナップは、レネゲードがボトムラインでグランドチェロキーがトップラインとなっている。その2台の間にコンパスとコマンダーが位置し、さらにラングラーとピックアップトラックのグラディエーターがスペシャル的な存在として加わっている。非常に充実したラインナップとなっている。

そしてコンパスとコマンダー、そしてグランドチェロキーは三兄弟的で外観が似通っている。コンパスの拡大版のようなコマンダーは必要あるの?と思っていたが、先日、コンパスを借りてみたところ、コマンダーの必要性が分かった。コンパスは形が四角いせいか大きく見えるが思いのほかボディが小さいのだ。

コンパスに愛犬や愛鳥、荷物を載せて、2~3日の別荘泊に行ってみたら、荷室がパンパンで、もう少し大きい車が必要だと感じた。そこで、2列シートの5人乗りであるコンパスの車台をストレッチして3列シートの7人乗りとしたコマンダーを借りて同じ使い方をしてみたら、ちょうどよいサイズだった。

比較的全長はあるが、それに比べて横幅はそこまで広くないため、都市部でも使いやすかった。7人乗りであるため多くの人を乗せることができ、また後席を倒せば荷物もたくさん積むことができる。僕の旅行の使い方としては、荷室を広くして荷物やペットを積むことになるだろう。

●コマンダーは現行ジープブランド唯一のディーゼルエンジン仕様で、しかも昔ながらでガラガラと音を発するが、それがかえって「味」となり、スピードをださずにのんびり走る気持ちにさせられる。適度にラフな乗り味やフィーリングにもほっとさせられる。時代をリードしてはいないが、私は内燃機車を最後まで楽しむつもりでおり、コマンダーのディーゼルエンジンらしいフィーリングは魅力的に感じた。

兄貴分のグランドチェロキーほどは洗練されていなくて、エンジンフィーリングにも乗り心地にも雑味があってガサツな味が残っているのだが、それを昔っぽいと考えるか、いかにもクルマらしくて良いと感じるかは、ユーザー次第だろう。

●イメージとしては、カジュアルで西海岸のサーファーにぴったりなイメージだと思ったが、実際に乗りこんでみると、内装全体がシックなダークブラウンのレザーシートで高級感を醸し出している。アウトドアの実用車ではなくあくまでも高級車として存在させたいのだなとわかった。

●コマンダーの外観上の魅力は「四角い」ことだろう。最近の多くのSUVは曲線的なラインの車が多いが、コマンダーはボディが四角い。それも魅力のひとつだと思う。
若いころは四角いクルマが多かった。僕はサーフィンにはまっていて西海岸への憧れもあり、日産サニーカリフォルニアという四角いデザインの車に乗っていた。そのボディ側面は木目だった。当時、ボディ側面の木目はサーファーの御用達のような感じだったため、それが縁で信号待ちで声をかけられ、知らない人と一緒にもんじゃを食べに行ったこともあった。今も昔も、クルマは人と人をつなげる存在なのだ。

●コマンダーに関して不満な点は、デザインが少々おとなしいこと、そしてマフラーエンドが見えないこと。カスタムの対象として考えれば、コマンダーは真っ白なキャンバスである。カスタムされたコマンダーを見ることは少ないが、もし購入したらスポーツマフラーに変更するのはマスト・アイテム、そしてボディ側面に木目調のシートを貼ってしまおうか。そんなクルマを今、見ないなあ。一気にキャラが出てくるはずだ。

 

【Jeep Commander】

●全長×全幅×全高:4,770mm×1,860mm×1,730mm
●ホイールベース:2,780mm
●車両重量:1,870(サンルーフ付:1,890)kg
●エンジン:ターボチャージャー付直列4気筒DOHCディーゼル
●排気量:1,956cc
●最高出力:125kW/3,750rpm 
●最大トルク:350N・m/ 1,750-2,500rpm 
●トランスミッション:電子制御式9速オートマチック
●使用燃料:軽油
●タンク容量:60L
●サスペンション:前/マクファーソン式 後/マルチリンク式
●ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ソリッドディスク
●タイヤサイズ:前後/235/55R18

〇プライス

Commander LIMITED ¥5,970,000

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