ジープ コンパスは新車で買えるノスタルジックカーだ
2024.08.16
ジープの販売が好調だ。我が家も主に妻が乗るクルマとしてジープ コンパスがいる。
ひと昔前のファミリーカーといえばセダンが主流だったが、いまやSUVやミニバンが定番で、SUVも色気を出し始めて軒並みスタイリッシュになり、流線型が主流でボディサイドにアイキャッチとしてのキャラクターラインが入っていたりする。
ミニバンは、いつの間にか外装がキンキン・ギラギラばかりになってしまった。そうなるともっとシンプルなカタチに魅かれるようになるんだよね。コンパスの前は妻はボルボXC40に気に入って乗っていたけど、僕としては「世田谷ナンバー+ボルボXC40+水色と白のコンビ+奥さん」という組み合わせに「いかにも」という感じがしてしまって、もっとシンプルで道具的雰囲気なクルマに乗ってほしいと思うようになったんだ。その点、武骨なジープは、イメージにギャップがあって面白いと思って妻に強く勧めた。
さらにうちのコンパスはボディカラーがダークグリーンで、グリルやドアノブ、窓枠などがブラック、全然キラキラしていない。ちょっと軍用車的雰囲気もあり、それも好印象だった。
ただ残念なのはマフラーエンドが外から見えない。ドーンと構えて、「オレはEVではないぞ!」と主張してほしかった。これについては、そのうち最適なアイテムを造って、解消することにしようと考えている。
昔ながらのSUVが有していた「道具的」「足クルマ的」雰囲気があり、その渋さがかえってカッコイイと思っている。ボルボのようなドアやリアハッチを閉めたときの“バコン”という重厚かつ繊細な音はなく、どちらかというと“バカン”という昔のクルマっぽい感じではあるが、そういう道具っぽさを求めていたこともあり、それさえも気に入っている。
もっと無骨路線を追求するとなるとラングラー、高級路線に転向したグランドチェロキーも購入の選択肢にはあがったが、乗り心地や使いまわしの良いサイズ感で、コンパスがジープブランドの中で太田家にはべストだという結論にいたった。
コンパスは走りも道具的だ。洗練されている感じはあまりしない。たとえばボルボXC40はアクセルの制御がきめ細かく、デリケートにアクセルを踏まない人(妻)にもスムーズに発進できる工夫があった。乗り味も大径タイヤを履くわりにうまく路面からの衝撃をいなした。
しかし、コンパスは、アクセルを何気なく踏むと昔のクルマのように車体がワッと前に出る。妻の横に乗ったときは、ガバッとでるのが気になるが、自分で運転するにはまったく問題ない。むしろコツがあって楽しい。
そして、なんといってもレギュラーガソリンで走ってくれるところがウレシイ。ここ最近、ガソリン価格がまた上昇してきたが、お財布に優しい点もコンパスの魅力のひとつだ。ただし、もう少しだけ燃費がよかったら、もっとうれしいが。
ふだんコンパスは妻が日常的に乗っているが、たまに家族で出かけるときもコンパスが出番となる。なぜなら僕が持っているクルマは2シーターばかりで荷物が乗らないからだ。
そんなときは都内では取り回しのいいコンパスにも弱点が見えてくる。それは荷室が大きくないこと。以前、避暑に行こうと思ったときに愛犬および愛鳥のケージを載せた後で長期滞在の大きな荷物や食材を乗せようとしたら載らなくて、荷物を減らしたことがあった。いまは積み方を考えながら荷物を上手く載せているので問題はない。
自動車評論家的には、ボルボの方が上級車だと言えるが、自分にとってはコンパスには道具感とともにノスタルジーを感じ、昔を思い出す。高校生のときはアメリカ西海岸のライフスタイルがあこがれだった。ポパイなどの雑誌を通じて、サーフィン、スケボー、スニーカーを知った。コンパスに乗って走っていると、あの頃の懐かしいアメリカンなライフスタイルへの憧憬を再び思い起こさせてくれる。歌って踊る懐かしの’70年代ソウル・ミュージックを車内で聴きながら、毎週のようにサーフィンに行っていた青春時代に戻るのだ。
新車で買えるノスタルジックカー(昔のクルマ)、それがジープ コンパスなのかもしれない。とてもおススメだ。
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