日産リーフNISMOでEVレースに出てきた!「EVでサーキット」
2021.11.26
11月14日に、JEV(一般社団法人 日本電動自動車振興会)さんのサポートのもと、筑波サーキットで開催された「リーフeトロフィーシリーズ」に1年ぶりに参加してきた。今回はコロナ禍の影響もあり、従来のレース形式とは異なるタイムアタック方式だった。僕はEVアタック/エキスパートクラスにいつもの日産リーフNISMOでエントリーした。
EVアタックの走行時間は20分間×2、1回目のセッションを走るためにコースイン。1周目から飛ばしたけど、タイヤが温まらず、とりあえず、そのまま2周してみた。11月半ばで気温は低かったけど、やはり数周したらバッテリーの温度が54℃になってセーフモードに入ってパワーダウン。そこで自主的にタイムアタック終了。
反省点としてEVでのサーキット走行は久しぶりだったので、走り方を忘れてしまっていて、ついつい、ここ最近走り慣れているマツダ・ロードスターの走りをしてしまったこと。
マツダ・ロードスターの走り方は、コーナリング時にブレーキをかけて前方に荷重移動させ、それをきっかけとしてくるっと向きを変える。だがそれと同じことを日産リーフ NISMOでやると、急激に横Gがかかるので、電子制御が介入し、リアの横滑りを止めてアクセルを絞られる。日産リーフ NISMOの電子制御は、スイッチでオフにしても完全にはカットされないので、どうやっても電子制御が介入してしまうのだった。
データロガーでみると、0.3秒も失速していることがわかった。
さて2回目のセッションでは、電子制御が入らないように、コーナリング時に大きな弧を描くようにし、ジワァ~とコーナーを曲がるようにして走った。そうしたらベストタイムが出た。
ナルホド、そのクルマごとに、そのクルマなりの走らせ方ってものがあるものだな。(何を今さら!? 走り方を忘れてただけじゃないか! とセルフツッコミ)。
タイムは1分11秒という今までのベストタイムが出たが、これはマツダ・ロードスターと同じぐらいのタイムで、日産リーフ はなかなか速いよね。
車体のフロアにバッテリーが敷きつめられていて、重心が低い。フォーミュラカー的に地を這う感覚で走れる。ただし、バッテリーがケース内に入っていて冷却されないので、温度が上がるのが弱点で、街中をゆっくり走る場合は大丈夫だが、筑波サーキットで全開走行すると7周でパワーダウン。
JEVリーフはバッテリーの温度を計測できるメーターをレース用に装備しているので、いま何℃なのか分かるが、エアコンの冷気をバッテリーケースに当てているがあまり冷えない。
聞くところによると、テスラのModel 3はバッテリーの容量が大きく、よく冷却されているので、長く走れるらしい。ホンダのHonda eもバッテリーケースを冷却している。その一方でポルシェのタイカンはバッテリーの温度が上がるので、本気で走ると、テスラのModel 3に負けてしまうらしい。
EVというと、航続距離の話や充電環境の話ばかりになるけれど、EVスポーツみたいな観点からはバッテリーの冷却が一番大事と言えよう。
フォーミュラEは、バッテリーケースをドライアイスで冷却しているからね。EVによるモータースポーツは始まったばかりで、まだ黎明期。なので、いろいろあるのは当然で、いま各方面から情報をキャッチし、未来を見据えているところだ