ミドルの車高と大きなホイールの組み合わせでも乗り心地がいいC5X
2023.02.20
妻のクルマ(VOLVO XC40)の乗りかえ時期が迫っていることもあり、個人的に気になっているシトロエンC5 Xに試乗してみた。大昔の話になるが、シトロエンにDSというクルマがあって、C5 XはDSの再来的な雰囲気を感じる。
いまヒストリックカーが人気だが、実際に自分のクルマとして使ってみると何かと面倒だったりする。先日、たまたまDSが通り過ぎるのを見たが、その後どうやら故障したらしく路上で止まっていた。C5 Xは、昔のイメージを彷彿させつつ、現代のクルマとしての安心感を持てるのは魅力的だ。
ところで、かつて主流だったセダンはそのお株をすっかり背高のSUVに奪われてしまった。しかし僕は、SUVはボディの重心が高くてグラグラするので、その乗り味があまり好きではない。最新の欧州車のトレンドとして、セダンとSUVの中間的な背の高さの「クロスオーバー(ほかにもリフトアップなどいろいろな呼び方があるようだ)」というラインがあって、C5 Xもそれに該当する。
シトロエンは伝統的に足が柔らかく独特の乗り心地となる。あー、これがフランス車!いかにもシトロエンっぽい乗り味だなと感じさせてくれる。
フランスは実は農業国であることもあり、未舗装路や、レンガの道でガタガタになっているところも多い。そういう道を走るには最適だ。C5 Xは足が柔らかいので、高速姿勢安定性よりも乗り心地の柔らかさを望む年配の人向けのクルマなのかな、と思っていた。
実際に乗ってみると、確かにシトロエンらしい乗り味が健在で、決して高速道路をかっ飛ばす足ではない。でも自分も最近は飛ばさないし、妻のクルマだったら、これでもいいかなとは思った。
しかし純正ナビの使い勝手に難ありだった。入力した住所が存在しなかったりして、やはり欧州車を日本仕様にするのは難しいのだな、と改めて思った。
さらに気になったのはアイドリングストップのセンサーが敏感すぎることで、狭い道での対向車とのすれ違い時や、横断歩道で歩行者が通過するのを待っている間にも作動してしまう。アイドリングストップを切ろうと思ったが、モニターの階層から操作するため、初めて操作する僕には何階層目のどこにあるのか分からなかった。
シトロエンの広報に連絡して教えてもらったが、自分の記憶力の弱さで翌日には忘れてしまう。フランス人は記憶力がいいのかな?とか、いろいろ考えてしまった。
モニターを操作するたびに記憶を呼びおこすとか、なかなか大変なことだが、これからの人生を健康で幸せに生き続けるためにこうしたモニター方式に喰らいついていくしかないのかな、とも思ったり。
〇スペック
C5 X SHINE PACK(1.6リッターPureTechガソリンターボエンジン/EAT8/5ドアハッチバック)
●全長×全幅×全高:4805mm×1865mm×1490m
●ホイールベース:2785mm
●車両重量:1520kg
●総排気量:1598cc
●エンジン形式:水冷直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:133kW/5500rpm
●最大トルク:250N・m/1650rpm
●トランスミッション:8速オートマチック
●サスペンション:前/マクファーソンストラット 後/トーションビーム
●ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
●タイヤサイズ:205/55R19
●使用燃料(ガソリン):無鉛プレミアム
●燃料タンク容量:52L
〇プライス
C5 X SHINE PACK ¥5,300,000~