クラシックミニの可愛さは機能を追求した結果として生まれた
2024.04.10
先日、新型MINIクーパー3ドアの発表会に行ってきた。最大のトピックはMINIの電気自動車(BEV)が日本市場に初めて導入されたことだ。ガソリン車の「C」と「S」という2グレードと電気自動車の「E」と「SE」という2グレードが設定された。
この発表会で登壇したBMWジャパンのスタッフが「ミニの生みの親であるアレック・イシゴニスが生きていたら、きっとこの新型MINIを造るでしょう」と言っていた。クルマの良しあしは別として、それはどうだろう?と思ってしまった。
有能な自動車技術者だったイシゴニスは、モーリスとオースチンが合併して誕生したBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)の会長であるレナード・ロードに小型タウンカーの設計を命じられた。イシゴニスが率いるBMCの開発チームはその当時の一般的な小型車よりもさらに小さい「極めて経済的な4人乗りのコンパクトカー」を開発。これが1959年に発売されたミニ(いわゆるクラシックミニ)であった。
ミニのコンパクトなボディは、大人4人が移動できる最低限のスペースを確保するというテーマのもとで必然的に誕生したもので、カワイイと言われるためにデザインされたものではなかった。
僕も昔にクラシックミニを気に入って乗っていたことがあった。とっても小さくて室内も狭かったが、そのタイトさがスポーツカーっぽくて面白かった。デザインも機能優先で、でもそこが僕は好きだった。
一方、新型MINIクーパー3ドアは、各部が可愛らしい意匠になっていた。まるで丸盆のようなセンターディスプレイをはじめ、明らかにウケを狙ったデザインで、おそらく女性からは「カワイイ」という声があがるような気もする。ジャーナリストの中にも、「デザインが魅力的だ」と言っている人もいたので、人気を博すのだろう。
またMINIを電気自動車にするのは時代の流れで、新世代になってボディが大きくなったこともニーズがあってそのようなスタイルになったわけで、順調にマーケットが広がっていった結果だ。だから否定する気持ちはまったくない。けれどもたとえイシゴニスが生きていたとしても彼はこの新型のようなクルマは造らなかったろう。と、ずっとずっと思っていく。
〇スペック
MINI クーパーSE
●全長×全幅×全高:3860mm×1755mm×1460mm
●ホイールベース:2525mm
●定格出力:前後65kW
●最大出力:160kW/7000rpm
●最大トルク:前後330N・m/1000~4500rpm
●タイヤサイズ:前後205/50R17
●ホイールサイズ:前後7J×17
〇プライス
MINI クーパーE ¥4,630,000
MINI クーパーSE ¥5,310,000
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