わくわくする未来はみつけられたか? ~JAPAN MOBILITY SHOW 2023 前編~
2023.12.26
「乗りたい未来を、探しにいこう!」をテーマとしたJAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパン モビリティショー)が開催された。
僕は、クルマは道具ではなくミニカーやプラモデルの延長線上にある「所有物」のようなものとして捉えているので、モノとしての魅力が乏しく見えるEVが中心となる今回のモビリティショーは、自分の中では「どうなのかな?」と思っていた。ところが実際に足を運んでみると、新提案が多くあり、さらに時代が大きく変化するときに起こる「高揚感」も覚えたのだ。
昔と大きく様変わりしたと感じたのは、例えば1983年のモーターショーで初代 MR2が発表されたとき、僕は詳しい説明はなくても、ただ単にカッコいいクルマがステージ上にあって、それを見ているだけでワクワクドキドキすることができた。今回のモビリティショーでは、クルマと環境、クルマと音楽、クルマとキャンプ、クルマとレジャーなどのように、クルマが主人公ではなく、クルマと何かをくっつけた周辺環境や新しいスタイルの提案が目についた。時代が変わったのだと思わざるを得なかった。
ただし周辺環境との関係性の提案を否定的に見るのではなく、ポジに捉えれば、「なるほど、そういった過ごし方や楽しみ方もあるのだなあ」、と参考になる。たとえば、クルマがEVになって音が静かになるから、「オーディオのサウンドに凝りましょう」という提案を見る。でも僕としては、「ずっとクルマの中にいるわけではないし……」と思う。それだったら自宅のリビングでオーディオシステムを導入しようかな、と思う。
スズキ・ジムニーが、まるでプラモデル・ショーの展示みたいに、アウトドアが再現されたジオラマの上に置かれて展示されている。面白い。自宅の車庫をレーシングガレージ風にリフォームしようかと発想する。ライフスタイルを見つめ直すよい刺激となる。
EVのスポーツカーがたくさん出展されていた。必ずしも既存の自動車メーカーとは限らず、名前を聞いたことのないメーカーもある。ガソリン車だともうすでに自動車メーカーは固定されているけど、EVとなるとエンジンがいらなくなるから、それだけ参入障壁が低くなって、いろんなメーカーやクルマが登場してきている印象だ。
さまざまな新興メーカーがEVスポーツを出してきていた。BMWはライバルであるマイバッハ的な豪華で快適な移動部屋のようなクルマを提案していた。その一方で、新興勢力のEVスポーツカーメーカーも多く登場し、過ごしやすい部屋からモータースポーツまで、いろんな形態がある。これからは今回に披露されたモデル以外にも、さまざまなモデルが登場し、そして淘汰され、そのうちのどれかが本流になっていくのだろう。まさに今、玉石混淆の黎明期、これからもEVスポーツカーや奇想天外な提案があったりするのであろう。そう考えると、わくわくしてくる。
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