目を惹いたクルマ、あれこれ ~JAPAN MOBILITY SHOW 2023 後編~

2023.12.28

子どもの頃、ミニカーを買ってもらうときは、そのクルマの機能やスペックなど関係なく、単にカタチがカッコイイからという理由で選んだ。ジャパン モビリティショーにおいても、見た目がスタイリッシュ&アクティブなEVが展示され、目を引いた。

まず注目したのが、MAZDA ICONIC SPだ。このスポーツカーの訴求ポイントは、直球勝負で抜群に見た目が良い。クルマ好きが造ったんだなと素直に思う。スペックの詳細は発表されず、現時点ではよくはわからないけど、このままのカタチで出てきたら、EVであろうと、なんであろうと絶対、買う!

もう少し説明を加えると、カーボンニュートラル燃料でロータリーエンジンを動かして発電するEVシステムを想定しているそうだ。これからのカーボンニュートラル社会でも心おきなく笑顔で楽しんでもらえるよう、新しい時代への決意を込めたスポーツカーのコンセプトモデルとして、明るい未来を感じさせてくれる。

ホンダ インテグラとの統合というかたちで5代目モデルの販売終了となったプレリュードの復活(?)も気になった。プレリュードといえば、オジサン世代には2代目と3代目がデートカーとして人気を博したことで有名だが、このPRELUDE Conceptは少し硬派な四輪電動スポーツのコンセプトモデルを想定している。ホンダのアナウンスによれば、カーボンニュートラル実現のための電動化や自動運転技術が普及していく過程においても、運転する楽しみを追求し、継承していくことを狙っているとのこと。カタチは普通っぽい印象ではあったが、若者たちの新たなデートカーになるのかな。続報に期待したい。

ホンダでは、SUSTAINA-C Concept / Pocket Conceptも気になった。オジサン世代にとっては、初代シティとモトコンポをイメージするこの四輪電動モビリティおよび二輪電動モビリティのコンセプトモデルだが、オジサン世代にはノスタルジーを、その存在を知らない若者たちには新鮮に映ることだろう。回収した使用済みアクリル樹脂を再利用して造られているとのことで、資源の循環利用(リソースサーキュレーション)によって限りある資源の制約から解放され、地球環境の保護と自由な移動の歓びを将来にわたって両立することを目指して開発されたそうだ。ラストワンマイルの移動には小型電動バイクのPocket Conceptを活用し、エコを意識しながらも“6輪生活”を実践することで好きなところへ自由に行けるという出展コンセプトが面白い。

あと、レクサスのROV Conceptにも興味がわいた。当日、ブースのスタッフに説明を求めたが「よくわからない」と言っていた。おそらくコンパクトなボディサイズとROVならではの悪路走破性により、乗用車にはない走りの楽しさを提供してくれるのだろう。水素エンジンの搭載により、走っても水しか出さない環境への配慮と、自然の中を走る楽しさを感じ取れる走行性能の両立を目指しているようだ。

装甲車や軍用車みたいな雰囲気の四角いSUBARU SPORT MOBILITY Conceptは、僕の目にはとてもクールに映った。電動化時代も日常から非日常まで意のままに運転し、いつでもどこへでも自由に走って行ける楽しさをデザインで表現したらしく、SUBARU SPORTの価値の進化を予感させるBEVのコンセプトモデルだが、WRXの未来版なのかもしれないと思うと、さらに登場が楽しみとなる。

ホンダのクルーズ オリジンは運転席の無い自動運転車両で、対面6人乗りによる広い車内空間と自家用車のようなプライベート空間を実現していた。ビジネスパーソンの移動時間の有効活用や家族や友人たちともっとラクに安心して楽しみながら移動できるなど、さまざまなユーザーに新たな移動体験を提供するとのこと。だが僕はクルマを見るときにいつも自分で所有し、自宅のガレージに収納したときのことを想像するので、あまり関心はない。また米国で自動運転タクシーが事故を起こし、運行が停まっているので、運用までの道のりは遠いのではないかと思う。

 

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わくわくする未来はみつけられたか? ~JAPAN MOBILITY SHOW 2023 前編~