ハッサンの水色号/1974年式アルファロメオ GT1600ジュニア/偏愛日記 その33(ライター:高桑秀典)

2024.04.09

「水色号」と呼んでいる1974年式のアルファロメオGT1600ジュニアを購入したのは1998年のこと。あまりにもいいクルマ過ぎて過去に一度も手放したり、買いかえたりする気にならなかったので、ふと気づけば26年も経ちましたが、購入時に18万kmだった走行距離は、32万kmになりました。そして、買ったときに赤だったボディカラーは、外装のフル鈑金塗装によって白になり、その直後に発生した本棚(ガレージ内)の崩壊により、内外装とも水色になって今日に至っています。

そんな感じのダメさ加減(因果応報/自業自得)なので、鈑金塗装を2回実施することになりましたが、よりよいスペックを求めて1750仕様エンジンも2回載せかえており、これまでに車検や整備や修理や鈑金塗装で払った金額を合計すると、新車のポルシェ 718 Cayman GTS 4.0とポルシェ 718 Boxster GTS 4.0を2台まとめてゲットできるぐらいのコストがかかってしまいました。

エアコンをはじめとする快適装備が一切無い旧車に対して、なんでまたそんなことをし続けるの?と疑問を抱く方がいると思いますが、端的に説明すると、水色号が眺めてよし、走ってよし、というだけでなく、車体が小さいものの大人4人が無理なく移動できて、ブロンプトンぐらいのコンパクトさになる折りたたみ自転車であれば容易に積むことすらできるからです。

それまで乗っていた日産 マーチターボを手放し、ファーストカーとしてGT1600ジュニアを導入したわけですが、まさにオールマイティで、いまでも乗るたびにさまざまな可能性を感じてワクワクドキドキしています(現在は真夏用の足グルマとして、昨年の2月に購入したフィアット500ツインエアを使用)。

3000km毎のエンジンオイル交換時に車両の各部を総点検してもらい、リセットする必要があればその都度作業してもらっているので完調をキープできているのですが、先日、水温計の照明が点灯しなくなったので、この機会に今年の作業時にLED化したヘッドライトと同じようにメーターの照明もLED化してもらうことにしました。

以前は機械式のフューエルポンプを使用したりしていましたが、旧いアルファロメオを今日の交通環境に適した仕様にできる社外パーツがたくさんリリースされるようになったこともあり、燃料系を機械式から電磁ポンプに、点火系を123イグニッションの製品に変更するなど、各部の近代化を進めています。そして今回テールランプとウインカー以外の照明がLEDになるので、さらに安全かつ乗りやすくなると思います。

50年前に生産されたクルマも各部をアップデートすると十分ファーストカーになるので(暑さ&熱さはガマン)、皆さんも最新モデルばかりに固執することなく、ちょっとぐらい旧くても相棒になりそうな、好きなクルマに乗ってみてはいかがでしょうか。