太田哲也、ボルボXC40ハイブリッドで能登半島ドライブ(後編)

2021.04.15

●浜辺を走れるなぎさドライブウェイ

 次に向かったのはクルマで砂浜を走れる日本で唯一のドライブウェイである千里浜なぎさドライブウェイ。能登の西側、羽咋市にある全長8キロ(現在は規制中で1キロ程度)の砂浜だ。能登半島国定公園の雄大な波打ち際で、経験したことのない映画のシーンのようなドライブを楽しむことができた。

 初心者は、波打ち際はなんとなく怖いので離れたところを走りがちなのだそうだが、そこは砂がふかふかでスタックするリスクがかえって高いらしい。海辺の方が、砂が湿って固くしまって好都合なのだそうだ。

 ちなみに砂浜を走るときは、トラクションコントロールを切った方がよいだろう。スリップすると、エンジンの出力を抑えられてしまうからだ。

 「カットスイッチはどこ?」と探したが、見つからず、広報マンに電話して聞くことにした。そうした制御スイッチは大型モニターで集中管理しているとのこと。タッチパネルで階層に入って事なきを得たが、やはりオールドマンには直感的に操作できるピクトグラムの視覚記号が付いたスイッチのほうがいいよね。

 

●ガソリン車とどっちがいい?

 さてガソリン車との違いについて触れよう。結論として、ドライバーにとってはほとんど差がない。違和感もない。スタート時こそEV走行だけど、しばらく走るとエンジンがかかる。高速道路ではずっとエンジンがかかっている。

 ハイブリッドシステム用の重いバッテリーを積んだことでガソリンエンジン仕様よりも車重が増えているのだが、コーナーでロールが大きいなとか、山道で遅いなとか感じる場面はなかった。発進時からアクセル操作に即応する卓越した加速フィールを楽しめたし、とにかく普通、普通に乗れた。乗り心地もよくて足まわりもよくできていた。

 

●もはや普通

 昔はハイブリッドカーが特別な存在で、それを強調するような内外装のデザインやドライブフィールの差があったけど、当たり前の存在として普及した今、ガソリンエンジン仕様車から乗り換えても違和感をおぼえないように作られているんだなと感じた。

 とはいえ、パーキングエリアで停車し、降りる支度をした際に、「あれっエンジン切ったっけ?」などと戸惑うこともあった。まあこれは慣れで解消するのかな。

 

●ひっそりと帰宅する方法

 とは言え工夫として、急加速を控えてモードで選んで電力を溜めておけば、帰宅時にEV走行のみで静かに走ることもできるので、夜遅い帰宅でも家人や隣人に迷惑をかけたくない人には、好都合であろう。

 ちなみに自分自身は、ぼくが帰宅したことをまず文鳥がエンジン音で気づき、鳥がチュンチュン鳴き始めたことを察して犬も起きて出迎える、という流れになっているので、静かに帰宅してしまうと彼女らにお知らせできない。