今季ロータスカップ初参戦!ジェントルマンレーサーとして思うこと
2022.08.10
「LOTUS Cup Japan」の今季第2戦が、去る6月26日に富士スピードウェイで開催された。僕にとっては、このシリーズとしては今シーズンの初レースになるのだが、クラス1に5台、クラス2に8台、計13台が出揃った。僕はエキシージSでクラス1にエントリーした。
ちなみに、2年前から参戦をはじめ、初年度は1レースに、2年目となる昨年は2レースにエントリーしたのだが、今年の前半は仕事が忙しく参戦がかなわなかったので、実に8ヶ月ぶりの参戦だ。
このロータスカップは金曜日と土曜日に練習走行があり、日曜日が予選と決勝。今回、金曜日は悪天候に見舞われてしまい、雨の富士スピードウェイは昔を思い出して怖かった。いまだにトラウマが残っているのだなと変に感心した。
日曜日に曇り空のもとで行われた予選は5番手で、その後の決勝レースではスタート後に一台抜いたものの、後半で疲れてしまい、最後の残り1~2周で抜きかえされてしまった。
どういう状況だったのかというと、1コーナーで後続車のドライバーがイン側に入ってきて、そのときに彼が3速にシフトダウンしようと思ったのに5速に入れてしまってオーバーランしたらしい。僕はそれを避けてアウト側に逃げたのだが、そこでインから抜かれてしまったのだった。結果は4位だった。
●自問自答する
それにしても現役時代だったら、抜かれないように競り合っていたと思うけど、今回はするっと衝突を避けたので、自分もアマチュア的になったものだな。でもこれでいいんだよなと思った。
走り方もずいぶんとマイルドになった。昔を思い出してみたら、現役時代は、例えば高速コーナーでアクセルを踏み過ぎて滑ったとしても、前のラップで大丈夫だったから、また次の周もアクセルを踏んでいた。でも、今は次の周はアクセルの踏み方を弱くしようという思考が働く。
そもそも現役時代はアクセルを踏みたいのではなく、踏まなければならないという、責任感、もしくは一種の強迫観念があった。でも今は踏みたくなければ踏まなくていい。そんなふうに気持ちの部分で違いがある。すると当然、速さにも結果にも差が大きく生じてくる。なぜアクセルを踏まない?いや踏まなくていいんだよ。でももうちっと踏めよ、踏めるだろッ。 そういった声が僕の頭の中でこだまする。
その一方で、ロータスというクルマを深く知りたいという欲求がかなえられるのは楽しい。持論だが、サーキットでクルマを走らせると、クルマの本性がわかるのだ。
●緊張感が自分を活性化させる
スタート進行でフォーメーションラップを走り、シグナルが消えてアクセルをグっと踏んで1コーナーに飛び込んでいく。何百回もやってきたが、スタートする瞬間は今でも緊張する。現役時代とはまた微妙に異なる緊張感だ。その瞬間、ドーパミンが出て、免疫力が上がって、自分が活性化する。そう感じている。
一般的に、現役で働いている人のほうが若く見えるものだ。サーキットで競争する厳しい環境下に身を置きつづけたほうが、いつまでも若くいられるのではないかと思っている。
昔できたことができない、それが明確になる。日常生活では衰えはそんなにははっきり出てこないが、レースでは悲しいぐらいはっきり表れる。そのため、もっとトレーニングをしようと思う。それも自分を活性化させるための動機となる。
●スピードが好きなんじゃない
モータースポーツのことをあまり知らない人から、レースを職業としていると聞くと、スピードがお好きなんですね、みたいなことを言われることがある。実は、それがそうでもないんだね。レーサーという職業を成立させるためには、人が乗らないようなよりハイパワーなマシンに乗らなければ稼げない。ル・マン24時間レースなどでは360km/hぐらいの最高速が出るけど、楽しいのではなく、仕事だから踏んでいた。そもそも俺ってスピード狂ではないんだよ。平和が好きなんだよ。
●できないことが見つかることを面白がっている
じゃあなんで走っているの?自分の衰えが露になるのに。
その答えを今探している最中だ。今のところ、できないことが見つかることを面白がっている。昔はこうだったと過去の栄光を語るより、昔できたことができないと悲観したりするよりも、今できることを見つけ出そうとしている自分が好きだから。
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