第六回 三橋 豊和 (KORクラブメンバー)
「一目惚れ」私とこの車は、まさにそう言う出会いだったと思う。
女性に対してならまだしも、趣味の車に関しては今まで雑誌やカタログ等を、時にはビデオやDVDに至るまで穴の開くまで見て比較し決定する「石橋を叩いて渡らない」タイプの私。そんな私が・・・
出会いはいきなりやって来た。
当時、主に首都高や時にはサーキットと、いわゆる「走り屋」生活に自分自身疑問を感じ始めていた。環境の変化もあり「国産スポーツカー」からの買い替えを考えつついつもの様にネットで候補車を新車、中古車問わず見ていた。
すると2、3日前にチェックした店に前回は無かった車が。
「147GTA セレスピード6速 04年式 アルファレッド」
車両的には文句の付け様が無かった、と言うより憧れの車だった。
その週末、さっそく田園調布のディーラーへ。担当の営業マンと軽く談笑した後、現車の前へ。そのグラマーでありながら何処と無くプロトタイプ的なスタイルに私は見惚れ、思わず溜め息をついてしまった。
その後、飛び出し式のキーを渡され車内へ。真っ黒の革張りのシートに座り、そのキーを差込み回す。
するとまずV6エンジン特有の「ドルドル」とビートの効いたアイドリング音、そして軽くアクセルを煽り回転数を上げるとまるで管楽器のような今まで聴いた事の無い高音が・・・私はその音、その「フィール」に一発でヤラれてしまった。
結局、見に行くだけ、冷やかし半分のつもりが、即契約をしてしまった。
そして当初「走り屋」生活から足を洗うつもりで購入した車のはずが、アルファでしか参戦出来ないレースが全国的に開催されている事を知り、2年前の最終戦から腕試しのつもりで参戦。次第に夢中になり、今年ついに念願だった関東シリーズのクラスタイトルを取る事が出来た。また、昨年には遠征した仙台で憧れの太田さんと僅かだが一緒に走ることも出来た。
最後に国産、外車問わずデザイン性に優れた車や高性能な車は他に幾らでもあるだろう。しかし、この車ほど気持ち良さや感動、喜びを感じさせ与えてくれるメーカーの車は少ないのではないか?と私は思う。

【アルファ147GTA セレスピード6 F 車両データ】
走行距離:32.000km 燃費:街乗り 5.5 km /L 高速 9.5km/L
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