このページでは2005年アルファチャレンジでのTEAM KEEP ON RACINGの活躍をレポートしてゆきます。

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■アルファチャレンジ東北シリーズ第1戦  (2005.5.21)

■アルファチャレンジ第2戦 フォトレポート  (2005.6.25)
アルファチャレンジ茂木 参戦インサイドストーリー




アルファチャレンジ OTA―VERSION 番外編

「アルファチャレンジ茂木 参戦インサイドストーリー」



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↑写真提供/Kさん
↑写真提供/Kさん
↑写真提供/Kさん
 















 
 













暑い・・・とにかく暑かった。

しかし、太田の走りはその暑さを吹き飛ばすほどの感動を我々に与えてくれた。

前日6月24日未明・・・
午前0時を過ぎても続く作業。
栃木のガレージ「舶来屋」では、太田も混じって最後の仕上げとも言うべきステッカー貼りが続く。
とりあえず、片側側面だけ貼り終えたところで作業は中断。
残りは当日早朝に持ち越しとなる。
全員疲労の色が濃い。

何としても今回は出場しようと、メカニック並木は連日作業に没頭する。
残念ながら今回ホイールは間に合わず、ノーマルが1セットのみ。
ブレーキもリヤはノーマルパッドのままという状態だ。
当日の練習走行がシェイクダウンという、かつてないほど困難な条件での初戦となった。

とにかく真っ直ぐ走るのか?
ノーマルで箱根を走った感触で、セッティングを決めるしかない。
フロントを固めてリヤを柔らかく。
初めての車に、期待と不安が渦巻く。

25日 午前7時
早くも汗ばむほどの暑さの中、チャレンジの1日はスタートした。
車をピットに運び、KEEP ON RACING クラブメンバーの手も借りて残りのステッカー貼りを急ぐ。

今回使えるタイヤはホイールの関係で1セットのみ。
最悪の雨を回避出来て、まずは一安心だ。
ピットには KEEP ON RACING の横断幕が貼られ、いやがうえにもレースムードが高まる。

そんな中、一人不安げな表情の並木。
限られた時間の中、やるべき事はやったはずだ。
あとは走ってみて、どんな問題点が出てくるか・・・
この暑さがマシンにどんな影響を与えるのか・・・

今レース、TEAM KEEP ON RACING としては、昨年太田が使用した156GTAワゴンで、株式会社クレドの江刺家選手も参加し、2カー体制で臨む。
監督代行に元レーサーの袖山氏、メカニック並木とクレドスタッフ。
タイムキーパーその他の作業を担当する金子。
そして、隠岐・木藤の事務局スタッフと当日駆けつけて下さったクラブメンバーの皆さん。

いよいよ練習走行の開始だ。
太田の参加するMR300クラスには7台のエントリーがある。
アルファGTにとってシェイクダウンとなるこの走り。
期待と不安の中、太田を送り出すスタッフ。

1周、2週・・・
ストレートをひときわかん高い音を響かせながら駆け抜ける、ゼッケン25番アルファGT。
今回全クラス混走でのレースとなったので、52台ものマシンがコース上を埋め尽くす。

3周目、太田がゆっくりとピットに入ってくる。
駆け寄る並木。

「リヤが当たるみたいだから、車高を上げて!」

太田の指示が飛ぶ。
急いでリヤタイヤを外し、ショックの調整にかかる。
今回クアンタムの手により作られたスペシャルショックとスプリング。
リングを回しながら車高と減衰力を調整していく。

刻々と迫る走行終了の時刻。
1周でも多く走って、フィーリングを掴んで欲しい。
取材で来ていたTipo佐藤氏が見かねて手伝うシーンも。

作業が終わった時には、練習走行の時間はすでに終了。
ただちに始まる予選のため、ピットロードに整列するマシン達。
ようやくエンジンがかかり、太田のゼッケン25番もピットを後にする。

すでにコース上では混雑が始まっている。
果たしてどの程度タイムを刻む事が出来るのか・・・

数周後ピットに戻る太田。
リヤの調整結果は・・・OK!
だいぶ乗りやすくなったようだ。
ここまでのベストは1分46秒台。

ラストアタックに賭けてピットを後にするが、無情にもここでタイムアップ。

とにかくタイムを出せただけでも良かった。
ピットに戻った太田からも、

「初めてでちゃんと走れたんだから、OKだよ。レーシングカーなんて、最初は真っ直ぐ走らないものなんだ。それを考えれば、マシン作りの方向性は間違っていなかった。後は少しずつ煮詰めていけば、もっと戦闘力は上がるはずだ。」

太田の言葉にほっと胸をなで下ろす並木。
しかし、決勝に向けてやるべき事はまだたくさんある。

まず各タイヤのエア圧をチェック。
この気温のせいか、走行前と比べてかなりの上昇がみられる。
袖山氏の指示により、エア圧を下げる。
そしてガソリンを補給。
わずか8周のレースなので、ガソリン量を減らして車体を軽くしたいところだが、あまり少ないとコーナーでの横Gにより燃料の偏りがおきて、うまくエンジンに送れなくなる可能性がある。
とにかく最後まで走りきってデータを取りたいので、余裕をもって入れる事にする。

今回日本テレビの密着取材が入っているので、テレビクルーが車載カメラをセット。

全ての準備が整ったのは、決勝スタート5分前。
太田がマシンに乗り込み、ガレージからピットロードへマシンを押し出す。

「キィーッ・・・」

「ちょっと待って!!」

並木の言葉に緊張が走る。

「もう一度、押してみて!」

「キィーッ」

かすかにリヤから何かを引きずるような音が・・・

「太田さん、ブレーキをポンピングしてみて下さい!」

並木の指示に肯く太田。

「もう一度押して!!」

「・・・・・」

OK!
並木のサインにピットを後にする太田。
すでにグリッド上では整列が始まっている。

「暑さのせいで、ブレーキパッドが引きずったのかもしれない。
 最後までもてばいいんだけど・・・」

並木の言葉に肯きながら、ピットウォール沿いでゼッケン25番を待つ我々。
目の前の9番グリッドだけは、空いたままだ。

「ダメだ! またピットに入って来た!!」

最終コーナーを見つめていたスタッフの悲鳴のような叫び。
力なくピットロードに入って来るアルファGT。
駆け寄る並木の耳に太田の声が、

「リヤがグラグラする!
 ホイールがちゃんと締まっているか確認して!!」

リヤタイヤに飛びつく並木。
うっすらあがる白煙。
焦げ臭いにおいが漂う。

「ホイールはちゃんと締まってます!
 ブレーキのせいかも・・・
 パッドがもたないかもしれません!!」

並木の言葉に肯く太田。
もはやここまでか・・・
マシンを見つめる我々の間にあきらめの表情がひろがる。
と、再びエンジンをかけ、猛然とピットを後にする太田。

「まさか太田さん、あのブレーキで・・・」

すでにグリッド上にはマシンが整列し、シグナルが変わるのを今か今かと待ち続けている。
ポッカリと空いた9番グリッド。
もうこの時点で自分のグリッドに着く事は許されない。
最後尾からスタートするしかない。
出走50台。
最後尾は最終コーナー手前、ちょうどピットをはさんで真裏にあたるショートストレート中ほどだ。
とてもスタートシグナルが見える位置ではない。

太田が最後尾に着くと同時にシグナルが変わりスタート!!
各車猛然と1コーナーを目指す。

今か今かと見つめる我々の前を、早くも数台のマシンを従えながら駆け抜けて行くゼッケン25番。
しかしいくらマシンの性能差があるとは言え、わずか8周のレース。
しかもコーナーの多い茂木の東コースだ。
アクシデントに巻き込まれずに無事帰って来て欲しい。

早くも先頭グループの姿が最終コーナーに。

「1、2、・・・・・」

順位を確認するクラブメンバー。

「来たっ!! 30、31・・・ 32位です!!」

凄い!! 1周で早くも20台近く抜いている。
スタッフの間に驚きの表情が広がる。
しかしまだ前には31台ものアルファが・・・

2周目26位、 3周目19位、
5周目、タイムも1分43秒台に突入!
予選より3秒もタイムアップだ。
ストレートでも、右に左にマシンをぬって走る太田。
しかし6周目、タイムがダウン。

「最後までもってくれ・・・」

並木の祈るようなつぶやき。

早くも周回遅れのマシンが混じり出し、順位の把握が困難になる。
必死にポジションをチェックする金子。

いよいよ最終ラップに突入!
10位でピット前を通過。

「あと1周だ・・・」

誰もが無言で最終コーナーを見つめる。

「来たっ!!」

最終コーナー、昨年の愛車ゼッケン26番チームメイトの江刺家選手を引きつれ、姿を現す太田とアルファGT。
最後のストレートを駆け抜ける。
ピットウォールから身を乗り出し手を振るクラブメンバー達。
そして、チェッカー・・・

「5、6、7、・・・8位!! 8位です!!」

計時の金子の声に歓声があがる。

「40台以上抜いたのか・・・凄い! 太田さん凄すぎるよ!!」

「KEEP ON RACING の精神を見せ付けてくれましたね!」

興奮を隠せず、口々に語り合うメンバー達。
メカニック並木の顔には、ほっとした安堵感と、何とも言えない虚脱感が浮かんでいる。

「なんとかもってくれました。 よかった・・・」

拍手の中ピットに戻ってくる太田。
エンジンを止めると、駆け寄った並木とがっちり握手。
気温30度以上の猛暑、灼熱のコックピットの中で戦った太田を心配する我々を尻目に、力強い足取りでマシンから降り立ち応援のクラブメンバーに手を振って応える。

「やっぱりブレーキはだめだった。リヤブレーキが片利きしてスピンしそうになるから、強く踏み込めなかった。うんと手前からブレーキングしてたよ。次回はキャリパーの熱対策だね。それ以外は問題なかった。

マフラーのおかげで、上が伸びて、ストレートが速かったしね。
基本的なセッティングの方向は間違ってなかった。
ありがとう並木さん。」

並木の表情にやっと笑みが浮かんだ。
太田を囲むように、全員が集まる。

「今日はみんなありがとう!
 こんなに忙しいレースは初めてだったけど、最後まで走りきれて良かった。
 ここにいる並木さん、そしてスタッフ、クラブメンバー、
 みんなで掴んだ結果だと思う。
 本当にありがとう!!」

沸き起こる拍手。
誰もが満足した表情で手をたたき続ける。
そこへ金子が結果表を手に駆け込んで来る。

「やりました! クラス優勝です!!」

再び沸き起こる歓声。
そして太田と握手するメンバー達。

最高の一日の最後を締めくくる、シャンパンファイト。
表彰台の中央に立つ太田の姿を眺め、あきらめずに戦う事の大切さを改めてかみ締める我々であった。

(2005-6-25)





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Written & Photo
金子洋一 44歳 妻ひとり子供3人
レース観戦歴 32年


フォトノスタルジア代表

http://www.fotonoss.com






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