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〜 2007年KOR特集企画 〜

夢を見失い、生きる希望を見失っている若者たちへの思い... このコンテンツでは様々な分野で活躍されている方にご登場いただきメッセージを掲載させて頂きます。


2007年、Team KEEP ON RACINGは、太田哲也が監督して参戦するゴルフGTIカップに2輪ライダーの伊藤真一選手を起用しました。伊藤選手は、2007年3月に2輪のテスト走行中に転倒。

左足の股関節と骨盤を痛め、「10人中9人の医者に引退しなさいと言われた」(伊藤選手)ほどのケガを負ったのです。その後、1ヵ月半の入院を経て、人工関節を入れることで選手復帰への可能性がみえ、「死ぬほどやった」というリハビリの末に復帰へと向かっていきます。

ところが2週間前に、再び練習中のトラブルで転倒し、鎖骨にヒビが入った状態に。それでも、「自分に納得がいくまでレースを続けたい」と伊藤選手はチャレンジを諦めませんでした。

6月24日に太田と再会した伊藤選手は、今回のゴルフGTIカップ参戦を快諾しました。


「太田さんからの誘いでもありましたし、今の自分にとって貴重な時間をどう使うかを考えたときに、ぜひ参加したいと思いました」(伊藤選手)

太田は伊藤選手の起用について、こう語ります。

「キープオンレーシングの使命は「チャレンジし続ける」というメッセージを広く世の中に伝えること。伊藤くんの諦めない精神をより多くの人に伝えることがキープオンレーシングの役目であると感じたんだ。僕自身、自分のことも重ねあわせて共感もしたしね」(太田)

ゴルフGTIカップを控えた練習走行の日に対談(2007年7月20日、ツインリンク茂木にて)

不屈の精神でチャレンジし続けるふたりがゴルフGTIカップでタッグを組むことになり、それを記念してスペシャル対談が実現しました!

***


伊藤選手の手術後のレントゲン写真
太田「大変なケガだったんだね」

伊藤「10人中9人の医者は引退しなさいって言ったけど、人工関節を入れれば走れるのではないかという話になって。死ぬほどリハビリしたらバイクに乗れるようになったんです」

太田「でもさ、真ちゃんぐらいの栄光があれば絶頂期でやめるという選択肢もあったんじゃない?」

伊藤「基本的にはレースが好きでやめられないんです。ワークスを降りて自分のチームを立ち上げたんですけど、今回メカトラブルで転倒して、それで終わったらメカも精神的に負担になるだろうし、自分もこんな形じゃ終わりたくないなって」

太田「なるほど。でも、周囲からの評価は気にならない?」

伊藤「周りには引退だと思われていたかもしれないけど、決めるのは自分。それに人の目はまったく気にならないですね。もちろん若いときより体力は落ちてますけど、8耐で連続ポールポジションをとったり、40歳でチャンピオンを取ったり、プライベートチームで8耐も勝ったりして、まだまだ走れるだろうと思ってましたから」

太田「オレの場合も、大事なのは結局もうひとりの自分にどう評価させるか、自分が納得できるかなのかなって気がする。それに、評判ではなく実力の世界だからね」

伊藤「プロの世界だから負けることもあります。もちろん負けたら人一倍悔しいですよ。だから負けないようにいろいろと考えるんです」

対談で、ドライバーとして共通点が多いことも判明

太田「前から考えるタイプだったの?」

伊藤「ドライバーは、みんな自分が一番速いと思っているだろうけど、セッティングを煮詰めるために考えますよね。ロッシのように本当にすごい選手は世界に一人や二人。自分は才能があったわけじゃないけど、ブレーキングのタイミングやコーナーの攻め方とか突き詰めて考えると速くなる要素が見えてくる。マシンのことは誰よりも知っていると自負していますし」



太田「へぇ、意外?! 真ちゃんは、何も考えずに乗りこなしちゃうタイプに見えるけど(笑)。でも、よくわかる。俺はセッティングを詰めていくことが得意なタイプのドライバーだったから、長くプロの世界でやれていたんだと思う。ただ速いやつなら俺よりいっぱいいたからね。結局、それだけじゃ長くやれないんだよね」

伊藤「そう思います」


事故に遭った茂木にて、ゴルフGTIカップで見事に復活。その1週間後には、鈴鹿8耐で3位入賞を果たした
太田「ところで、この前、二宮清純さんにレーサーというのは恐怖心が快感になるのか?って聞かれたんだけど、それはないなって。俺の場合は、集中することで恐怖の感情が抜けていって自分がマシンのようになってた感じがする」

伊藤「僕は、最悪なことは考えるんです。いまでも、あそこで突っ込んだら死ぬなとか思います。でも、最悪はこうだろうと思えると、逆に怖さが減って操ることに集中できる」


太田「でもさ、ケガをしてハンデがあってもサーキットで走ることってチャレンジングなことだよね。俺はルマンで350kmで走ることよりも、草レースで走っているいまのほうがチャレンジの度合いが大きいような気がしてる。真ちゃんも、かなりチャレンジングだよね」

伊藤「自分は、バカなのかもしれないですね(笑)」

太田「だからこそ、ゴルフGTIカップを真ちゃんに乗ってほしかったんだ。チャレンジするKEEP ON RACINGの趣旨にピッタリだよ」

伊藤「ありがとうございます」

監督として伊藤真一選手を起用した太田

太田「ゴルフGTIカップ第3戦が復帰レースで、その1週間後に鈴鹿8耐だったわけでしょう」

伊藤「ゴルフのレースに出ていたおかげで、予選で緊張せずに済みましたよ。3位だったのは上出来だと思います。最後の10周は、もうフラフラでしたから」

太田「でもさ、二輪ですごい成績あげて、ゴルフGTIカップのようなナンバー付きレースにも出るのに躊躇する気持ちはないの? そこで負けたらイヤだなっていう変なプライドとか」

伊藤「いやぁ(笑)。太田さんのチームだし、楽しいですよ!」

 



〔伊藤真一さんの紹介〕

伊藤 真一(いとう しんいち、1966年12月7日 - )宮城県角田市出身のオートバイロードレースライダー。

近年はブリヂストン契約ライダーとしてテストライダーを務めるかたわら、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスへの参戦も続け2005年にチャンピオンを獲得。その他に、アマチュアとしてスーパー耐久にも参戦。

かつては国際A級昇格と同時にホンダワークス入りしたことから、「シンデレラボーイ」と呼ばれた。

http://www.shin1krt.net/index.php

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