KEEP ON RACINGチームからアルファロメオ156GTAスポーツワゴンで出場した太田哲也が、前回のブレーキトラブルによるリタイアからの雪辱を果たし、安定した走りで3位入賞を果たした。 前回、6月5日の東北シリーズ第1戦では、ブレーキの過熱によるブレーキブーツ破損が原因で、決勝は1周でリタイアという残念な結果に終わった。このトラブルを対処すべく、ブレーキクーリングシステムを新設し、さらにカーボンパッドも装着。7月21日に菅生サーキットにてテスト走行を実施し、ブレーキローター温度を200℃下げるという好結果を得て、ブレーキ性能を大幅に向上させて臨んだ。
●太田哲也と元GPライダー伊藤真一がバトル
事故後レース参戦3シーズン目となる太田は、今年アルファチャレンジ最高峰となる「スーパーレーシング」クラスに参戦。レーシングカーが走るなか、市販車改造車、セレスピード(AT)、しかも重量のあるスポーツワゴンという不利な車であえてチャレンジし、KEEP ON RACINGチームが掲げるチャレンジスピリットというメッセージを自ら体現している。 予選3位につけた太田だが、ポールポジションを獲ったのは元GPライダーの伊藤真一(156GTA)。ふたりに注目が集まるなか、16時、決勝レースがスタート。スタートで首位に立ったのは予選2番手につけた今井主(155Q4)。一度は伊藤が抜くが、ストレートの加速の良い今井が、そのままチェッカーをくぐり抜け、太田もハンデのある車ながらポジションをキープし、そのまま3位でチェッカーを受けた。 「伊藤、太田のバトルを楽しみにしてくれている人たちが多く、僕自身も今回のレースを楽しみにしていました。前ふたりとの差はレーサーとしてはもちろん悔しいですが、チームとしては確実性のある走りができ今回の挑戦には満足しています。次回は、マシンの性能をさらに引き上げて、伊藤くんと真っ向勝負をしたい。そして、アルファチャレンジを盛り上げていきたい」(太田哲也)
●「チャレンジ」というKEEP ON RACINGのスピリッツ
今回、KEEP ON RACINGチームは、揃いのTシャツを身につけ、自分たちでできることを少しずつでもチームに還元しようと一丸となってレースに参戦した。当日は、マスコミ各社も駆けつけ、数媒体におよぶ雑誌の取材も受けた。 今後の課題は、重量を克服するセッティングをみつけること。前回のリタイアから、トラブルを解消し3位入賞を果たし表彰台から観客に盛大な拍手をおくられた。 今後も、KEEP ON RACINGのチャレンジは続く−。
「真っ赤なスポーツワゴン…」アルファチャレンジ東北第1戦 観戦記 (2004.07.06)
2004/7/6
「真っ赤なスポーツワゴン…」アルファチャレンジ東北第1戦 観戦記 (2004.07.06)
赤のアルファロメオが半数以上を占めるレースだった。6月5日、宮城県柴田郡にあるSUGOサーキットの第2コーナー付近の高台で私はカメラを構えて、その中の一台を待っていた。真っ赤なスポーツワゴン、ナンバー27、ライトが赤く塗りつぶされているのは一台だけ、太田哲也が操縦する156TAスポーツワゴンだ。レンズにKEEP ON RACINGの文字が現れ、シャッターをすばやく切る。カメラにも同じKEEP ON RACINGのステッカーが貼られている。 その日、グースネック宮城が主催するAlfa Challenge東北第一戦に参加していたのは32台。土曜日ということもあってか出場者は少なめであった。今回のレースの課題は車重のバランス。太田選手はタイヤのサイズを車に合わせ、サスペンションを今までより固くすることで調整を計ったとのことだ。 そして今、予選が始まったのだった。エンジン音とともにレーシングカーは一瞬で過ぎ去っていった。
真っ赤なスポーツワゴンはピットにいた。その横にいる太田さんを見て、ほっとした。復帰後初のリタイヤとなってしまったが、太田さんはいつもと変わらないようだ。原因はブレーキの加熱によるブレーキブーツの破損だったそうだ。車体の重量による負荷はチームの想像を超えており、ブレーキローターの容量が不足していたことがファーストセッションの時点でわかったのだという。それでもセッティングしなおし予選に望んだのだった。今後、どうするのかが分かっているためか、チームは次回の巻き返しを期待できるといった感じだ。 「進むべき方角が分かっているなら、あとは小さな軌道修正を繰り返していけば必ず目的地に辿り着く」という、ある航海士の言葉を思い出した。それがKEEP ON RACINGの「何事もあきらめない、チャレンジし続ける」とシンクロする。進むべき方角が太田選手には見えているのだ。
予選結果 参加台数:32台 出走台数:29台 天候:晴れ コース状況:ドライ 04.06.05 SUGO INTERNATIONAL RACINGCOURSE (3.70256km) Po No Class Driver Type Team Laps --------------------------------------------------------------------------- 28 27 SR 太田 哲也 156GTA スポーツワゴン KEEP ON RACING 1
決勝結果 参加台数:32台 出走台数:28台 天候:晴れ コース状況:ドライ 04.06.05 SUGO INTERNATIONAL RACINGCOURSE (3.70256km) Po No Class Driver Type Team Laps --------------------------------------------------------------------------- 28 27 SR 太田 哲也 156GTA スポーツワゴン KEEP ON RACING 1
今後は関東、関西での第2戦、東北第1戦と参戦していく予定ですが、安全と環境に配慮し、着実に、そして確実にマシンを煮詰めてまいります。最終的に今年はクラス・オーバーのグランドチャンピオンを獲得すべく、「KEEP ON RACING」の精神に基づき尽力していきたいと思います。今度ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。 尚、今回の参戦模様は、3月22日(月)の東京中日スポーツに掲載されております。また、雑誌ロッソ、ニューモデルマガジンX、ティーポにも掲載される予定です。
KEEP ON RACINGの最終戦を、元2輪の世界GPライダーの青木琢磨さんが応援に来てくれた。練習中のアクシデントで今は車椅子に乗っている青木さんだが、太田のマシンに乗り込みいろいろと話が弾む。自分がこのマシンに乗れればという青木さんに、「ああしよう」「こうすればと・・」 太田と話が弾んだ。 ハンディのある人でも、普通の人と一緒にレースの魅力を楽しめるんだということを、青木さんとKEEP ON RACINGでもっと大勢の人にアピールしようという話題まで飛び出し、予選間際のピットが大いに盛り上がった。
★KEEP ON RACINGの活動は、いろいろな人たちの応援や支援によって支えられています。以下は応援スポンサー様のサイトです。