〔Topic〕 KEEP ON RACING2号車156GTAワゴンは、レインタイヤを装着したことも功を奏し、総合1位、クラス1位を獲得。KEEP ON RACINGでワンツーフィニッシュを飾った。また、145カップにKEEP ON RACINGより再び参戦したTipo編集部・佐藤も予選3位、決勝4位でのフィニッシュとなった。
朝9:00、富士スピードウェイのゲートに到着。7番ピットに向かうとすでにクラブメンバーやファンが集まっていた。クラブメンバーや関係者、スタッフが協力し、ピット前にテントを設営し、KEEP ON RACINGブースを設置、ステッカー貼りなど着々と準備を進める。ドライバーズミーティング後、ピット内で全員が集まり、チームミーティングを行う。太田選手の挨拶の後、スタッフの紹介、そしてKEEP ON RACINGとして最初の講演会を行うきっかけとなった愛知名電高校の先生方、取材活動をずっと続けてきたテレビ朝日・佐々木ディレクターらも挨拶をし、いよいよ走行の準備に入る。
練習走行を終えると、すぐに予選開始。MR300クラスでは江刺家選手(Team KEEP ON RACING)に続き2番手で終える。ピットに戻るとすぐさま、並木メカニック、袖山カーマネージャーを呼び寄せる太田選手。前日から袖山、並木が富士に入り、とくに懸念されたブレーキのテストを繰り返し問題はクリアされていたはずだが、実際に走ってみるとブレーキのトラブルが浮き彫りになってしまったようだ。「富士独特の気圧や風を体が感じてしまって、最初は少し感傷的な気持ちになってしまっていた。でも、いざ走りだしてみたら、まったくコースが変わっていたので、新しいコースを攻略することとブレーキのトラブルは何が原因かを考えているうちに気持ちを切り替え、自然と集中できた。自分が知っている富士とはあちこちが違っていたし。走っている間は、感傷的な気持ちに浸ってる暇もなかったよ」(太田)
「新しい車なのでデータがないからやっぱり大変。弱点のブレーキに今回も予選で問題が出たけど、決勝はクリアできて次回へ向けて、やっと糸口が見えた感じだね。それに、富士も安全なコースに生まれ変わっていることがわかってよかった」(太田)表彰式の前には恒例のチーム記念撮影。たくさんの人が太田選手のもとに来てサインをもらったり、写真をとったりと交流の時間をもった。また、この日はKEEP ON RACINGの活動に賛同し、盛り上げてほしいと花屋さんから100個の観葉植物が届けられ、アルファチャレンジの参加者や子どもたちにプレゼントされた。
たくさんのファンから拍手で迎えられた太田選手は、表彰台でこう語った。「僕が富士を走るということは、僕だけじゃなく見守ってきてくれた人たちにとっても特別な意味があったと思う。事故以前のようにプロのレーサーとしてではないけれど、モーターレーシングを通じてチャレンジしよう!というメッセージを伝えていきたい。きょうこれだけたくさんの人が駆けつけてくれたことは本当にうれしいし、KEEP ON RACINGの活動や僕がやろうとしていることに、たくさんの理解者が増えてきたことをうれしく思います」